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札幌ドーム、日ハムの要求を無視し続け“見捨てられ”移転…札幌市天下り職員たちの暴挙

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札幌市の対応を批判しない北海道マスコミ

 2016年5月、北海道新聞のスクープでファイターズの新球場構想が表面化する。慌てた札幌市はドームの野球専門化提案もしたが折り合いがつかない。そこで2017年の4月、新球場建設地として道立産業共進会場と北海道大学構内の2カ所を提案したが、面積不足や大学の反対などで頓挫した。

 その後、1972年の札幌五輪会場だった真駒内公園が浮上する。実はこの頃、札幌市は2026年冬季五輪の誘致を表明、懸念されたがスピードスケートの会場は帯広市にすることにした。昨年12月には札幌市がファイターズに示した案での真駒内公園での検討を決めた。しかし周辺住民の反対が強かった。結局、北広島市での建設が決まり、ファイターズはついにドームから去ることになった。

 今年4月に札幌市が公表した「北海道日本ハムファイターズ新球場建設に係る報告について」には「H30年3月1日、真駒内公園を候補地として決定」「H30年3月26日にファイターズが北広島総合運動公園を建設候補地として決定」と記される。まともに協議していたならありえない。ファイターズが「何をいまさら」と、早くから札幌市を相手にしていなかったことの現れだ。

 札幌市はファイターズが望んだ指定管理者制度(公共施設の運営を民間企業やNPOに委託する制度。マツダスタジアムで広島市が採用)も拒否していた。札幌ドームは元来、2002年のサッカーW杯日韓共催での試合誘致を目指して建設された。「サッカーと野球の2つのプロチームの本拠地」の謳い文句は脆くも崩れ去る。

 札幌ドームでのファイターズの試合は、オープン戦を含めて年間70日ほどだが、その売上は札幌ドーム全体の半分を占める。市は「ファイターズの日程のために遠慮してもらっていたイベントも多かった」とするが、今後サッカーと音楽イベントなどだけでは黒字経営は難しい。

 ある事情通は「指定管理制者度を拒否したのは株式会社札幌ドームに居座り、甘い汁を吸う市の天下りたちのせいですよ」と批判する。お宝球団を失ったのは、殿様商売していても自分たちの収入になんの影響もない天下りの危機感欠如がなせる業のようだ。

 さらにこの事情通は「札幌市の愚かな対応を道新(北海道新聞)などの地元マスコミは積極的には報じない。みんな取り込まれているんです」と怒る。株式会社札幌ドームは市の天下りのほか、トップには北海道放送(HBC)の社長を据えるなど道内マスコミ界の重鎮を要所に配して批判を封じているようだ。取締役に北海道新聞の取締役が収まっていれば、批判をするはずもない。道内の地元テレビ局も株主に名を連ねる。

 ファイターズはかつて現プロ野球解説者の張本勲が活躍した前身の東映フライヤーズ時代、本拠地の駒沢球場が1964年の東京五輪のため解体される憂き目に。日本ハムになってからも後楽園、東京ドームを本拠地にするも「根無し草球団」だった。北海道移転後、新庄剛志、ダルビッシュ有、大谷翔平、中田翔など実力選手に恵まれ、2006年から5度のリーグ優勝を果たし、短期間でファン層を拡大した。そんな球団にとり「自由に使える自前の球場」は念願でもあった。北広島移転で球団が球場を経営できない状態から脱却する。

 あるファンは「600億円をかけての自前球場建設は、ファイターズの札幌市への怒りの現れですよ。でも、これで球団が北海道から出ていく可能性は完全にはなくなった」と喜ぶ。
(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

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