昨年9月にジャニーズ事務所を退社した元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が活躍の場を広げるなか、業界内での“支援者離れ”の声が聞こえてくる。テレビ局関係者は言う。
「彼らが退社後も異例の活躍ぶりを見せたことの大きな理由の1つに、ジャニーズ事務所という芸能界で大きな力を持つ事務所を離れ、『大手事務所を離れると仕事を干される』という悪しき慣習に立ち向かっていると感じた多くの業界関係者が有形無形の支援をしてきたからです。しかし最近、彼らの所属事務所CULEN社長の飯島(三智)さんに対して、『メディア対応でジャニーズの頃と同じやり方をしている』『いまだにジャニーズ時代を忘れられていない』という声を耳にします」
具体的にどのようなことが、反感を買っているのか。スポーツ紙記者はいう。
「5月、帝国ホテルに期間限定で彼らのグッズショップが開設されるのに際し会見が行われたのですが、時間が深夜だったんです。これではスポーツ紙は翌朝の朝刊に間に合いません。テレビ局のカメラクルーも何社か集まったようですが、大した理由もないのに非常識な時間に会見をセッティングすることに不満の声が上がっていたようです。
SMAP時代は各メンバーが多忙なため5人全員が揃う時間が取れないという理由で、よく深夜に会見が行われていました。さすがにマスコミ側も『仕方がない』と納得していましたし、SMAP全員が揃うというのは報じる価値がありました。しかし、今の香取ら3人にそれほどの報道価値はありません。にもかかわらず、マスコミ側の事情を考えずにジャニーズ時代と同じような発想でいることに不満が上がっているのです」
情報解禁時間を“指定”
今月1日、香取慎吾は同じ日に2つのイベントに出演。先に行われたのは、「香港ウィーク 2018 Greater Bay Area Showcase」のオープニングセレモニー。夕方には公式ファンサイト「新しい地図」が賞を受賞した「2018 58th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の贈賞式に香取が出席した。
「贈賞式にはほかにも多くの有名人が登壇しましたが、主催者サイドからマスコミ各社に、香取の出演情報だけは翌日午後1時解禁と通達があったのです。香取さんのニュースが2つバッティングするということは、どちらのニュースも一般的には印象が弱くなります。贈賞式はほかにもたくさんの人が出席しますし、あくまでも贈賞式であってギャランティーが発生する仕事ではない。スポンサーのついている仕事の方を宣伝してもらうために、贈賞式の情報出しの時間を遅らせるという報道規制をしたわけです。
『香港ウィーク』の主催者は香港政府観光局で、香取は香港のオールドタウンセントラルのエスカレーター壁面にストリートアートを描いた縁で、イベントのPRのために出席しました。つまりギャラが発生しているわけで、香取サイドとしてはマスコミの『香港ウィーク』の扱いが小さくなってほしくないという事情から、翌日の解禁を要請したのでしょう。しかし、情報解禁のタイミングに口を出すという手を使えるのは、かなり影響力のある大手の事務所だけです。マスコミ側からすれば『何様なんだ』と不満の声が出てもおかしくはありません」
最近、「新しい地図」のファンクラブを退会したというファンは、「コンサートやツアーをやるわけではないし、ファンクラブ会員でいるメリットが感じられなかった」と語るが、ファンとマスコミが離れてしまわないことを願うばかりである。
(文=編集部)