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西川立一「流通戦争最前線」

スーパー、無秩序な激動の業界再編突入…「対イオン&ドンキ戦略」が生死分けるカギ

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 若者は音楽をストリーミングやダウンロードで楽しむ流れが進むなかで、ライブ会場にも足を運ぶ。ドンキHDの店舗はライブ会場の役割を果たし、利便性ではEコマースに劣るが、ネットでは決して体験できない買い物の楽しみを提供することで差別化を実現させようとしている。リアルの対ネット戦略において、ドンキは立ち位置がきわめて明快である。2020年以降の10年タームでも、ドンキHDが再編のキープレイヤーの一社として重要な役割を果たすだろう。

ローカルスーパーvs.イオン

 一方で、連邦経営を旗印に、マイカル、ダイエー、マルエツ、マルナカなど多くの企業を傘下に収めてきたイオンも動いた。10月、中四国で事業を展開するスーパーフジに資本参加し、事実上フジはイオングループ入りした。

 この事態を招いたのは、フジの立ち位置にある。中国地方では「ゆめタウン」のイズミの存在が大きく、イオングループのマックスバリュ西日本、マルナカの攻勢も目立ち、守勢に立たされていた。この状況を打開するため、独立路線で行くのではなく、敵のひとつであるイオンの懐に飛び込むことで、今後の生き残りを担保しようという決断をした。イオンは地域スーパーの統合も進めることになり、中四国ではマックスバリュ西日本とマルナカ、山陽マルナカが経営統合され、これにフジが加わることが予想され、このエリアでさらに存在感が高まる。

 これに先立ちイズミも4月、セブン&アイHDと業務提携し、商品調達などを共同で行い、広島県福山市のイトーヨーカドーの店舗の運営を引き受けることになった。イズミがセブン&アイグループ入りするものではなく、今のところ部分的な連携で、取り組みもあまり進んでいないようだ。

 岐阜のバロー、滋賀の平和堂、和歌山のオークワなど、今後、独立系の有力ローカルスーパーの去就も注目されるが、すでに北海道のアークスはユニバースなど北東北のチェーンをグループ化し、連合体として一定の存在感を示している。

 イオンはすでに食品スーパー事業では3兆2000億円規模で、唯一の食品スーパーの全国チェーンとして一頭地を抜いた存在だ。今後も各地でローカル食品スーパーvs.イオンの構図が鮮明となり、ローカル食品スーパーは対イオンの戦術がより必要とされ、生き残るための長期戦略も求められ、合従連衡の動きも活発化するものと思われる。

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