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ユニクロ、柳井家に年352億円の配当金…オランダ国籍会社使い節税対策か

文=編集部

苦戦するアパレル企業のなかでユニクロが一人勝ち

 ファストリの18年8月期の連結決算(国際会計基準)の売上高にあたる売上収益は前期比14%増の2兆1300億円、営業利益は34%増の2362億円、純利益は30%増の1548億円だった。売上収益は初めて2兆円の大台に乗り、純利益は8月期決算としては2期連続で過去最高を更新した。

 海外のユニクロ事業が業績を牽引した。海外の売上収益は27%増の8963億円、営業利益は63%増の1188億円。海外売り上げの約5割を占める中国は27%の増収だった。中国では店舗数を633店と78店増やした。電子商取引(EC)も伸びた。東南アジアではフィリピンやインドネシアも好調だった。ユニクロ事業の海外売上収益が初めて国内を上回った。

 国内のユニクロ事業は売上収益が7%増の8647億円、営業利益は24%増の1190億円。冬場にヒートテックやダウン製品を、夏場は猛暑を背景に機能性素材のエアリズムなどが伸び、既存店売上高は6%増となった。ECでの売り上げは29%増となり、国内ユニクロ事業の7%を占めた。

 カジュアル衣料品店GU(ジーユー)事業は、売上収益が6%増の2118億円、営業利益は13%減の117億円。値引き販売が営業減益の原因になった。ユニクロに代わる新たなグローバルブランドを育てるために立ち上げたグローバルブランド事業の売上収益は9%増の1544億円、営業段階で減損損失を計上したため41億円の赤字となった。

 国内のアパレル企業が苦戦に陥るなか、ファストリは一人勝ちの状態だ。小売業の時価総額ランキング(10月15日終値時点)では、1位がファストリの5兆6791億円で、2位のセブン&アイ・ホールディングスの4兆2407億円に大差をつけている。

 柳井氏が目指すのは世界一のアパレル企業だ。ライバルでもあるZARAを手掛ける世界最大手、インディテックス(スペイン)の18年1月期の売上高は253億ユーロ(約3兆4000億円)。2位のH&Mブランドのへネス・アンド・マウリッツ(スウェーデン)の17年11月期の売上高は2000億クローナ(約2兆6000億円)と、ファストリとの差は大きい。

 柳井氏は、世界一を達成するために売上高5兆円という高い目標を掲げる。

「今年はいよいよ本格的にヨーロッパに打って出る」

 18年元旦、社員向けメッセージで柳井氏は、こう宣言した。これに先立つ17年秋には、世界首位のZARAの本拠地、スペインに初出店した。さらに今年8月、H&Mのお膝元であるスウェーデンのストックホルムに初出店。欧州は、ユニクロにとって鬼門。過去に英国で業容の大幅縮小を迫られ、いまだユニクロの世界売り上げの5%にすぎない未開拓の地だ。

 現在2兆円の売り上げを5兆円に引き上げるには、力仕事が必要だ。柳井氏は来年2月で70歳になる。かねて70歳での社長退任の可能性を示唆してきた。しかし、まだ力仕事を託せる後継者を見つけることができないでいる。そこで、とうとう柳井氏は「創業者なので引退しない」と、終身現役を宣言した。お眼鏡に叶う後継社長が見つからない場合は、柳井氏が後見人として息子のどちらかを社長に就けることもあり得る。
(文=編集部)

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