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『大恋愛』突然ブッ込みで騒然の小池徹平、若年性認知症による「性格変化」なのか?

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『大恋愛〜僕を忘れる君と』公式サイトより

 連続テレビドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)が第2章に入り、北澤尚(戸田恵梨香)と間宮真司(ムロツヨシ)の幸せな結婚生活に、さっそく横やりが入り始めました。

 若年性認知症は発症が早いだけに、女性の場合は出産・子育ての壁が出てきます。でも、こればかりは認知症に限らず卵巣腫瘍・(遺伝性)乳がんなど、若年で発症する病気の治療には常に立ちはだかる大きな壁です。

 かつて女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳がん発症に関わる遺伝子を持っていたために、乳房・卵巣摘出術を予防的に受けたと発表したときは衝撃を受けました。彼女は出産後の決断でしたが、もし出産前や結婚前に自分ががん発症遺伝子を持っているとわかったら、どうするでしょうか。また、もし自分の子供にそれが遺伝している可能性があると気がついた場合、母として、子供に対してどのような選択ができるのでしょうか。闘病と妊娠・出産は、とても難しい、深い問題です。

 こんな深い問題を、大恋愛の劇中では、どのように描いていくのでしょうか。そして、子供が絡んだ問題は、概して夫婦間の大きなひずみになり得る問題です。

 2人の間に子どもが生まれれば、尚にとっての生きがいになっていくのか、はたまた尚の記憶がなくなっていくなかで、真司の生きる糧になっていくのでしょうか。闘病中の日常の幸せと、病気の進行という厳しい現実に振り回される人間模様がうまく描かれています。

●思わず同調してしまう“医者の家族あるある”

“女医は料理が下手”というのは、テッパンなのでしょうか。引っ越しそばもうまく茹でられない尚でしたが、3ツ口のコンロにやる気満々でしたね。そう、やはり頭でっかちな女は、とりあえず形から入るのでしょうか。私も4ツ口のコンロを使っていますが、2個しか使っておりません。

 また、日常の小さい出来事を、すぐに医学ネタと結びつけてしまうところに、演出のこだわりを感じます。真司がせき込んだとき、私は「あ~、誤嚥した~」と、テレビを見ながら笑っていましたが、劇中の尚も「誤嚥は年なんだよ~」とすかさず言っていました。

「胃が小さくなった」とか「貧血で倒れた」なんていう、医学的に間違っているが一般的には使われている言葉も、医師同士だと突っ込まれるので気を付けないといけません。「あのさ、貧血って鉄欠乏性のこと? 失神するのは脳貧血であって、鉄とは関係が……」といった具合です。「最近、物忘れがひどくって」などと友人に言われたら、私もすかさず「桜・猫・電車と言ってみて」と、軽い認知検査をしたくなってしまいます。医療職ってめんどくさいですね。

「安心してもしなくても年は取るんだよ」という井原侑一(松岡昌宏)の言葉も、「ちょっと冷めた医者風で良いセリフ!」と思わず同調してしまいました。

 感情を優先させてモノを言う女の代表かと思わせられる、侑一の母・千賀子(夏樹陽子)と、事実に基づいた会話をする男代表の侑一の会話、私は好きです。30代後半の息子を、いつまでも子ども扱いする千賀子は、相変わらず“医者の母あるある”です。

 母はもちろん一生母親ですが、医者となり、研究のために海外にまで行った30代後半の素晴らしい息子を、どうしても客観的には見られないのでしょうね。そして、どうしても千賀子にばかり目が行ってしまうのは、私の母にも通ずるところがあるからでしょうか?

●一番注目したい松尾の狂気

 そして今回の一番の見どころは小池徹平が演じる松尾公平でした。

 尚が過呼吸か、あるいは迷走神経反射で倒れた姿を見ての満面の笑みや、キスの後のスキップ、かなりやばかったですね。

 無邪気な見た目とこのギャップ、素晴らしいキャスティングです! インターネット上でも「小池徹平の存在で、『大恋愛』の雰囲気が変わってきた」との声が多数見受けられました。

 でもこれって、若年性認知症の症状のひとつといえるのでしょうか。

 若年性認知障害の症状には、中核症状といわれている記憶障害などに付随した「周辺症状」があります。環境によってもさまざまですが、妄想・幻覚・不安・焦燥・抑うつ・徘徊などです。周辺症状は生活の質を低下させ、介護者の大きな負担となりますが、中核症状とは異なり、早期の適切な治療や質の高いケアで軽減することができます。

 たとえば、若年性認知機能障害の原因のひとつである前頭側頭型認知症は、人格に重要な前頭葉萎縮が起こり、性格変化が出る可能性が高くなります。松尾はこのタイプかと考えると、病気による周辺症状としての性格変化なのでしょうか。

 私の尊敬する専門の先生に確認してみたところ、この前頭側頭型認知症は老年ではまれで若年での比率が高く、感情機能の低下や欲動・衝動のコントロールが困難になる上に体力もあるため、行動として大きな問題ととらえられてしまうことがあるそうです。「若年発症だから暴れる」などということは、まずないようです。今回の松尾のキャラクターによって、若年性認知機能障害と闘う患者やその家族に対しての誤解を、ぜひとも持たないようにしていただきたいものです。

 専門知識を基に冷静に考えてみると、単純に年を取ると、本来のキャラクターが強く出てくると言われるように、もともと彼の奥底にあった性格のひとつが、発病をきっかけに前面に出てきたとも考えられるのでしょうか。頑固な人はより頑固になる、といった感じです。もしそうなら、私は、今以上におしゃべりになってしまうのかしら、とちょっと不安です。

 さて、今後、松尾の存在は、ただでさえ混乱している尚の思考に、どれほど影響を与えてしまうのでしょうか。真司と尚の愛で乗り越えることができるのでしょうか。

 そして、まさかのまさか、尚の母・薫と侑一の“大恋愛”も始まるのか。ない……ですよね?
(文=井上留美子/医師)

井上留美子(いのうえ・るみこ)
松浦整形外科院長
東京生まれの東京育ち。医科大学卒業・研修後、整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。自他共に認める医療ドラマフリーク。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。
自分の健康法は笑うこと。現在、予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を開いてい。現在は二人の子育てをしながら時間を見つけては医療ドラマウォッチャーに変身し、HEALTHPRESS、joynet(ジョイネット)などでも多彩なコラムを執筆する。

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