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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

【慰安婦財団解散】韓国、国際常識が通じない国家に…日米との約束無視で同盟関係崩壊

文=相馬勝/ジャーナリスト
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 財団は女性家族部の法人設立許可を得た非営利法人で、慰安婦被害者の名誉回復や傷の癒やしを目的とし、日本政府が10億円を拠出し、2016年7月に韓国で設立された。財団の具体的な事業は、理事会の議決や外務大臣との協議を経て、女性家族部長官の承認を受け実施する。

 財団を解散する場合の手続きは2通りだ。定款によると、財団を解散させるためには在籍理事の3分の2以上が賛成し、女性家族部長官の承認を得なければならない。女性家族部長官は外務大臣と協議し、承認するかどうかを決める。

 もう一つの方法は、担当官庁である女性家族部が財団法人設立の許可を取り消す「職権取り消し」というやり方だ。民法によると、財団の目的の達成が不可能で機能を果たせない法人については、設立許可を取り消し解散できる。財団は発足当時11人の理事が選任されたが、民間からの5人全員が辞任するなどし、現在は2人しか残っていない。女性家族部は財団に設立許可を取り消すと通知し、財団側の意見を聞く聴聞の手続きに入る方針だ。続いて長官の職権で許可を取り消す。取り消しは2週間以内に終了する見通しだ。

 その後、裁判所が清算人を選任し、財団の職員や財産問題などを整理する清算手続きが行われる。当局は清算人の選任まで3~4カ月を要し、清算手続きの完了までは最長で1年かかるとみている。

 外交当局はその間、日本側と10億円の取り扱いについて協議するとみられる。女性家族部関係者は「日本側と残りの拠出金問題を協議するが、財団の解散にとって障害にはならない」との見解を明らかにしている。

「ポイント・オブ・ノーリターン」

 ところで、10億円の使い道についてだが、財団はこの10億円を財源として慰安婦被害者や遺族への現金支給事業を行い、合意時点での生存者のうち34人と死亡者58人の遺族に計44億ウォン(約4億4000万円)を支給した。

 だが、17年5月の文政権発足後、韓国政府は慰安婦合意の検証を行った上で10億円を韓国政府の予算で置き換えている。つまり、元慰安婦生存者らに支払われた現金は韓国政府の予算から出ており、日本政府が拠出した10億円は丸々残っており、韓国政府に預けられたままだ。

 しかし、この10億円について日本政府はいったん拠出したものであり、菅義偉官房長官も会見で「返還を求める考えはない。財団の残金が合意実施に適切に使用され、日本政府の意向に反する使い方をされないように強く求めたい」とはっきりと述べている。つまり、日本が拠出した10億円の問題も宙に浮くことになる。

 エイリアンと話し合っても言葉が通じないように、韓国側は日本側の言葉の意味がわかっても、もはや実行する意思がないのだから、話すだけ時間の無駄と言わざるを得ない。このため、筆者の意見は極めて乱暴だが、「文政権が倒れるのを待つほかはなさそうだ」というものである。あるいは、文政権が国際的な批判を浴びて、対話姿勢に転じるのを待つことも選択肢の一つだろう。

 いずれにしても、日韓関係は当分、最悪の状況に陥ることだけは間違いない。日韓関係はもはや「ポイント・オブ・ノーリターン(引き返せない地点)」まで来てしまっているからだ。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

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