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私立大学、2割が破綻危機…資金繰りのため悪辣な「学校債」詐欺に走る大学も

文=島野清志/評論家
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縛りが緩い学校債

 金融証券取引法において学校債は有価証券であるか、それと見なされると、発行する学校法人は一般企業と同様の財務諸表の作成、公開などを義務づけられる。ただし、これに抵触するのは、卒業生等の利害関係者以外にも発行かつ譲渡可能、500名以上募集、発行総額1億円以上のものだ。

 確認の意味を含めて、所管する文科省私学行政課に学校債の規制について尋ねてみた。質問は次の3点である。

(1)財務内容の厳密な開示が求められる条件に募集500名・総額1億円以上とあるが、これに満たないものは法人側がフリーハンドで発行できるのか。
(2)みなし有価証券とされる条件に、一般人(卒業生等の利害関係者以外)にも発行とあるが、卒業生等の等はたとえばどのような人を示すのか。
(3)学校債の利率の上限は定められているのか(たとえば市中金利に比べて著しく高い利率は認められない等)。

 回答に窮するような質問とは思えないのだが、9月21日に電話で趣旨説明をした後、指示通りに部局宛にメールを送付したが、9月27日に「今しばらくお待ちいただきたい」との返信があったきり、再三の催促にもかかわらず11月22日現在回答は届いていない。省内トップや幹部による数々の不祥事による組織の混乱は続いているのだろうか。

 ともあれ、学校法人が発行する債券は、民間企業のそれと比較して発行に際しての縛りは緩く、容易に発行できるのは確かであろう。裏返せば創造学園大学の事例にあるように、濫用、悪用しやすい。当然、先述したような奸智に長けた輩が参入してくることは想像に難くないところだ。
(文=島野清志/評論家)

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