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林晋哉「目からウロコの歯の話」

歯列矯正はやるべきか?矯正後に頭痛や視力低下、不眠で苦しむ人も

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 その歯が並ぶ口の奥には声帯もありますから、発音や発声に必要な声帯の機能も歯並びと調和しています。さらに、発音や発声に欠かせないもうひとつの重要な臓器が舌です。舌は「あっかんべー」をした時のように平べったい形を思い浮かべがちですが、実は下図のように口の中いっぱいを満たす大きな筋肉なのです。

 前歯を内側に引っ込める歯列矯正をした場合、前歯が内側に移動することで口の中の容積は小さくなります。しかし、舌の大きさは変わりません。すると、狭くなった口腔に収まらない舌を噛みやすくなります。噛むととても痛いので、噛まないように常に舌を引っ込めるようになります。舌は前に出す分には簡単でつらくはありませんが、舌を後ろに引く動作は、口の周りや首のあたりが緊張し、かなりつらくなります。長く続けると痛みやコリも発生します。

 歯列矯正で舌を後ろに引く動作を強いられれば、声帯にも悪影響が出ることは容易に想像できます。もし、フレディがこの状態だったら、あの美声は生まれなかったことでしょう。歯列矯正をしなかった彼の判断は正しかったのです。

 成人になってからの歯列矯正は、口の周りだけでなく、顎の痛み、首や肩のコリ、頭痛、視力低下、不眠、パニックなどを引き起こす場合もあり、実際にそうした症状を訴える患者さんは、筆者のクリニックに途切れることなく来院されているのです。

 フレディは、他人から何を言われようとも、ありのままの歯並びだったからこそ才能を発揮できたのです。

 映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見ると、初めに彼の口元に違和感を覚える人もいると思いますが、見終わる頃には、この出っ歯こそがフレディの個性であり、彼そのものだと受け止めているはずです。エンドロールで流れる実物のクイーンの演奏場面で映し出されるフレディの口元に対して違和感を覚えることはなくなっているでしょう。

 歯並びと口の機能とは密接に関連しています。この映画を通じて安易に歯列矯正をしないことの重要性もフレディは教えてくれているのです。 

 矯正の副作用についての詳細は、当サイト記事『歯列矯正は超危険!全身に深刻な副作用のおそれ…食事や口の開閉が困難になる例も』をご参照ください。
(文=林晋哉/歯科医師)

●林 晋哉(歯科医師)
1962年東京生まれ、88年日本大学歯学部卒業、勤務医を経て94年林歯科を開業(歯科医療研究センターを併設)、2014年千代田区平河町に診療所を移転。「自分が受けたい歯科治療」を追求し実践しています。著書は『いい歯医者 悪い歯医者』(講談社+α文庫)、『子どもの歯並びと噛み合わせはこうして育てる』(祥伝社)、『歯医者の言いなりになるな! 正しい歯科治療とインプラントの危険性』(新書判) 、『歯科医は今日も、やりたい放題』(三五館)など多数。近著は『入れ歯になった歯医者が語る「体験的入れ歯論」: -あなたもいつか歯を失う』(パブフル)。

林歯科HP:http://www.exajp.com/hayashi/

歯列矯正はやるべきか?矯正後に頭痛や視力低下、不眠で苦しむ人ものページです。ビジネスジャーナルは、連載、QUEENフレディ・マーキュリーボヘミアン・ラプソディ出っ歯の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

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