スタバが巧緻すぎた面もある。アメリカで人気のチェーンを日本の一等地、東京・銀座に出店し、それをきっかけとして全国に広げるという“勝利の方程式”を当てはめたことがそうだろう。かつてマクドナルドが日本1号店の出店場所として東京・銀座を選び、それによりブランド力を高め、そして全国に広げることに成功した。これは、日本でマクドナルドを展開する日本マクドナルドの創業者、藤田田氏が、かつて新しい文化が奈良や京都から全国に広がっていったように、日本の文化の中心地である銀座からスタートしたほうが全国に広がると考えたためだ。このマクドナルドの成功方程式をスタバも採用し、結果として同様に成功することができた。

 スタバはメニューの面でも成功を収めた。「フラペチーノ」がそのひとつだ。コーヒーとミルク、氷などをミキサーにかけてつくる冷たい飲み物で、スタバの独自商品として世間に広く知られるようになった。このフラペチーノなどスタバでしか飲食できないものがあり、それが差別化の要因となっている。

エクセルシオールが成長できなかった要因

 一方、エクセルシオールはフラペチーノに匹敵するような独自のコーヒーメニューがあるわけではない。そのため差別化ができておらず、それにより埋没している感が否めない。

 エクセルシオールは自社展開のコーヒーチェーンとの差別化でも失敗した。運営会社のドトール・日レスホールディングスはドトールコーヒーショップを1115店(2018年10月末時点)展開しているが、エクセルシオール誕生翌年の00年の3月末の段階ですでに722店を展開していた。そのような状況下、初期の頃は問題なかったが、エクセルシオールが拡大するにつれてドトールとも競合するようになり、次第に埋没するようになっていった。

 ドトール・日レスがドトールに注力していったため、エクセルシオールがなおざりになっていった感もある。また、運営会社が同じであるがゆえに、両者が同質化していった面もある。実際、星野正則社長はエクセルシオールについて「ドトールコーヒーショップとの差別化があいまいになってきた」と述べ、同質化を認めている。同質化したことも、埋没する要因となった。

 エクセルシオールはこのようにして埋没が進んでいったが、もちろん、ただ手をこまぬいていたわけではない。たとえば、06年に業態コンセプトを「イタリアン・バール」と定め、食事メニューを強化することで差別化を図った。具体的には、サンドイッチのような食べ物のパニーニやピザ、パスタの3種を強化している。その結果、食事メニューは大手コーヒーチェーンの中では充実度が高くなった。また、エクセルシオールはアルコールを扱っており、扱いのないスタバとドトールに対する差別化要因となっている。

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