負ののれんを断念して、今期は70億円の最終赤字に転落

 瀬戸氏と松本氏は新規のM&Aを凍結し、不採算部門から撤退、収益性を重視していくことで一致した。

 この結論に基づき、RIZAPは2019年3月期連結決算(国際会計基準)の業績予想を下方修正した。純損益は従来予想の159億円の黒字から70億円の赤字に、営業損益は230億円の黒字から33億円の赤字に転落する見通し。売上高に相当する売上収益はM&A効果で前年同期比1.7倍の2309億円を見込む。

 赤字に転落するのは、負ののれんを使えなくなったからだ。19年3月期に負ののれん代103億円を営業利益に計上することを予定していたが、これを断念した。社内で買収を検討していた20~30社を対象に、具体的に負ののれん代を試算し、計上していた。

 不採算事業の整理に伴う損失155億円を計上する。買収したフリーペーパー発行のぱどや、CD・ゲームソフト販売のワンダーコーポレーションなどが損失を計上。4~9月期は85億円の連結最終赤字となった。

 RIZAPは今年6月、公募増資で350億円の資金を調達したばかり。これにより自己資本比率は26.5%に高まったが、1株当たり5.73円を見込んでいた期末配当を見送り、年間でも無配とする。「食い逃げ増資」との批判も仕方がないところだ。経営責任を明確にするため、瀬戸氏は1年間役員報酬(金額は非公表)を返上する。その後も、連結営業利益が230億円を超えるまで報酬の返上を続けるという。

 今後は、高い収益を上げているトレーニングジムに経営資源を集中し、21年3月期の連結売上収益3000億円、営業利益350億円を目標に掲げる。85社に上る子会社の整理、7000人に膨れたグループ従業員の削減など、痛みを伴う改革はこれから始まる。トレーニングジムのキャッチコピーである「結果にコミット」できるかは定かではない。

グループ9社の株価は軒並み下落

 札幌証券取引所の新興市場アンビシャスに上場しているRIZAPグループ株には、11月15日朝から売り注文が殺到し値がつかない状態が続いた。取引終了時に、一部の売買を成立させるルールが適用され、値幅制限の下限(ストップ安)の前日比80円(18%)安の345円で売買が成立した。16日も連続ストップ安(80円安)で、11月19日に一時、248円まで下げた。昨年11月の高値(1545円)から84%の下落である。株価が6分の1になったということだ。

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