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『西郷どん』いよいよ最終回!謎だらけの人生、西郷隆盛の「本当の目的」が明らかになる?

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『西郷どん』公式サイトより

 鈴木亮平が主演を務めるNHK大河ドラマ『西郷どん』の第46回「西南戦争」が9日に放送され、平均視聴率は前回から0.1ポイント減の11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。

 言うまでもなく、明治政府をつくった立役者のひとりである西郷隆盛が、その政府に対して反乱を起こした「西南戦争」は、彼の生涯において名実ともにクライマックスといえる出来事だ。第46回では、西郷(鈴木)が私学校の生徒らとともに東京を目指して鹿児島を発ってから、賊軍とされて政府軍と戦闘になり、次第に劣勢となって、ついには解散を宣言するに至るまでを描いた。

 史実上の西郷については「西南戦争の時に何を考えていたのかわからない」というのが定説のようになっているが、大河ドラマもこの「わからなさ」を踏襲した。そもそも、1万以上の武装勢力を率いて東京に行けると本気で思ったとしたら、それ自体がおかしいし、賊軍になったと聞いても降伏せずに頑強に戦闘を継続するのもおかしい。戊辰戦争でたくさんの人を死なせたことを悔やんでいたはずなのに、今回はバタバタと仲間が死んでもあくまで戦闘を続けるというのもおかしい。

 降伏ではなく「解散」して、投降したいものは投降して生き残れと促すのも、裏を返せば「まだついてきたい者はついてこい」という意味であり、若者たちを死ぬことがわかっている戦に駆り立てているようなものである。「西郷隆盛はそんな人じゃなかったはず」「西郷はそんなことしないはず」と誰もが思う行動をなぜ取り続けたのか、その真意は史実でもわかっていないし、結局この大河ドラマでも明かされないままに終わった。

 とはいえ、これを批判しようというのではない。『西郷どん』については、一部の回を除いてこれまでかなり批判を書き連ねてきたが、もはや最終回を残すだけとなった今、さらに批判を重ねようとはあまり思わない。結局、最終回の一話前になっても、いまだに西郷という男の真意が劇中で描かれていない以上、「西郷隆盛はよくわからない人物だった」というのが、このドラマのテーマだったと解釈すべきなのだろう。

 鈴木演じる西郷は当初からお人好しで、目の前の人の状況や見聞きした意見にすぐ左右される人間だった。よく言えば柔軟性があり、悪く言えば軸が定まっていなかったといえよう。その後どんどん政治にかかわるようになっていくなかで、「自分の役割を演じること」に徹していったと理解すれば、このドラマで描かれた西郷の人物像にも一応の説明はつく。時代と周囲の人々が自分に期待する役割を懸命に演じたという意味だ。

 その解釈に基づけば、西郷は私学校の生徒たちの熱望に応えて決起し、大久保利通(瑛太)に「反乱の種を摘むために捨て石になってほしい」と望まれたから死んだ、ということになる。鈴木もドラマ公式サイトで「第46回の西郷さんには、おそらく主体性はないんです。演じながらふと、西郷さんはずっと彼らが言ってほしい言葉をかけているんじゃないかと思いました」と語っており、中園ミホ氏の脚本について同様の解釈をしたようだ。

 このドラマはヘタに西郷に思想を持たせてしまったため、「西郷は望まれる役割を演じていただけ」と解釈すると、少々無理も生じるが、もし西郷を「おいには難しいことはわかりもはん」と言い切って周囲の期待に応えようと奮闘する「いい人」として描いていれば、逆にドラマに深みが出たのかもしれない。第46話における西南戦争の描き方についてはいろいろと言いたいこともあるが、今さら言っても仕方がないのでやめておく。

 さて、いよいよ次回で最終回を迎える。「西郷隆盛は周囲の期待に応えていただけ」と論じたが、ドラマ公式サイトにある鈴木のコメントによれば、西郷は最終回で「本当の目的」を初めて明かすのだという。その内容次第では、今ここに書いた解釈がすべて間違っていたということにもなりかねないが、それよりも中園ミホ氏の真意がわかるかもしれないことへの期待感のほうが高まってきた。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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