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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

高齢者狙う新たな詐欺多発!百貨店店員や警察官をかたり、銀行カード&預金奪う!

文=鬼塚眞子/一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表、保険・介護・相続ジャーナリスト

――被害に遭われた方の共通要素や特徴は、あるものでしょうか?

広報室 当協会に相談が寄せられたケースについて申し上げると、被害に遭われた方から連絡があった場合は、相談が寄せられた時点で、すぐに警察に連絡するようにお伝えしていますので、細かい被害状況については、必ずしも聞けない場合もありますが、高齢の女性からの相談が多いです。また、東京や大都市圏に限らず、全国的に発生していることは確認しています。

――訪問時の手口も巧妙なのでしょうか?

広報室 当協会の実際のロゴを悪用して、訪問時に偽の身分証明書を提示したり、偽の名刺を手渡すケースも発生しており、手口は巧妙化しています。

――そこまで周到に準備されていると、思わず信じたくなりますね。

広報室 不安に陥ったお客様は、偽の身分証明書を提示されたり、名刺を手渡されると、余計に信じやすくなってしまうようです。

――実際に、このような電話がかかってきたら、どうすればいいですか?

広報室 不審な電話や訪問を受けたら、最寄りの警察や全銀協相談室、または銀行とりひき相談所にご一報ください。また、誤って口座情報を教えてしまったら、ただちに、お取引のある銀行にご連絡ください。

【連絡先】
全国銀行協会相談室 TEL0570-017109または03-5252-3772
受付日:月曜~金曜(祝日および銀行の休業日を除く)
受付時間:午前9時~午後5時

被害を防ぐ方法

――どうすれば、被害は防げますか?

広報室 被害を防ぐためには、電話の相手先が実在するのかを確認することが重要です。確認方法としてはたとえば、

(1)まず、相手の氏名、会社名、部署、連絡先を必ず聞き、電話を切ります。
(2)次に、会社のホームページなどで正確な連絡先を確認します。
(3)さらに、(2)で確認した連絡先に実際に電話をして、電話を掛けてきた人物が本当に存在するのかを問い合わせます。
(4)不審な場合は、すぐに最寄りの警察に相談をしてください。

 詐欺の電話では、偽の電話番号を伝えるケースもあるため、正しい連絡先を確認することが重要です。

――全銀協では、イベントなどで被害防止の啓発活動はされていないのですか?

広報室 当協会では、毎年、「振り込め詐欺等撲滅強化推進期間」を設定するなどし、振り込め詐欺等の特殊詐欺被害の未然防止に向けた活動を展開しています。2018年度は、10月15日から11月14日までの1カ月を同推進期間と位置づけ、一般社団法人日本歌手協会主催の「歌謡祭・歌謡フェスティバル」における啓発を柱に活動を展開しました。

――お客様の反響はいかがですか?

広報室 歌謡祭・歌謡フェスティバルに観覧に来られる方のなかには、高齢者の方やそのご家族も多くいらっしゃいます。当協会をかたる詐欺をご存じない方に、詐欺の手口や対策について知ってもらい、関心を持ってもらう良い機会になっていると思います。今後も被害防止に向けた啓発活動などを継続的に行っていく予定です。

――各金融機関でもATMの周辺に被害防止のためのチラシなどを置いている店舗も増えました。

広報室 会員銀行においては、地元の警察のご協力を得ながら、ATM前の床に「振り込め詐欺に注意」などのマットなどを敷いたり、警察や行政からの啓発チラシを置いたり、各店舗独自のツールを導入するなど工夫を凝らして、防止活動に努めています。当協会でも、注意喚起のチラシを作成・配布するなどして、会員銀行の取り組みをサポートし、お客様に注意を呼び掛けています。

――全銀協を舞台にした手口は、もう起こらないでしょうか?

広報室 今の手口が浸透し対策が講じられると、当協会以外の実在する団体の名称をかたったり、さらに巧妙な手口を考え出すことは、十分に考えられます。今でも、銀行協会に限らず、銀行、警察、百貨店、家電量販店など、さまざまな団体や職業をかたって、キャッシュカードやクレジットカードや現金を騙し取る詐欺行為が行われています。いずれにせよ、全銀協を名乗る不審な電話がかかってきたら、まずは疑っていただき、最寄りの警察や当協会の相談室にご連絡いただきたいと思います。当協会でも被害防止のために、今後も啓発活動を積極的に展開して参ります。被害は一部の地域にとどまらず全国的に発生しており、誰もが被害に遭う可能性があることを忘れずに、冷静なご判断をお願いしたいと思っています。
(文=鬼塚眞子/一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表、保険・介護・相続ジャーナリスト)

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍
介護相続コンシェルジュ協会HP

Twitter:@kscegao

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