
HKT48の指原莉乃が12月15日、東京ドームシティホールで開催された公演で、同グループからの卒業を発表した。AKB総選挙で1位を4回も獲得した人気メンバーの電撃発表を受けて、早くも今後の活動に関心が集まっているようだ。
指原といえば、2008年にAKB48正式メンバーに昇格後、“ヘタレのさしこ”として認知されるようになった。そんな彼女にとって大きな転機となったのが、12年に報じられた恋愛スキャンダルだ。過去にファンの男性と交際していたと「週刊文春」(文藝春秋)に報じられ、ラジオ番組でプロデューサーの秋元康が指原に対し、結成直後のHKT48への移籍を指示した。ファンの間では、事実上の博多への“左遷”だなどと騒がれた。
HKT48への移籍後、指原は逆境を笑いに変えるなど持ち前のトークスキルを発揮。抜群の存在感を放ち続け、15年から17年にかけてAKB総選挙史上初となる3連覇を果たしたことも大きな話題を呼んだ。
卒業を発表した翌日のステージで指原は、司会を務めた堺正章に「何かの番組のアシスタントにしてもらえませんか」と直訴して会場の笑いを誘った。インターネット上では、「さっしーは、このままバラエティ番組で活躍しそう」「指原莉乃なら十分ひとりでやっていける」などと、卒業後の活躍を予見する声が相次いでいる。
一方で「芸能界はそんなに甘くない」と指摘する意見も目立つ。AKBグループ在籍時代に抜群の人気を誇りながらも、卒業後はテレビで見かける機会が少なくなった人気メンバーも多い。たとえば、“神セブン”と呼ばれた7人の人気メンバーのひとりである篠田麻里子は、女優として活動するも、ゲスト出演や端役が続く状態。同じく神セブンの板野友美は、7月公開の主演映画『イマジネーションゲーム』(プレシディオ)がまったく鳴かず飛ばず。篠田、板野ともにバラエティ番組への出演は単発ばかりで、2人に限らずバラエティで成功した元メンバーはほとんどいないのが実情だ。
グループ卒業後に女優活動を行うパターンは多く見られるが、成功者は限られている。前田敦子は安定感のある演技力が重宝され、着実に出演作を重ねて女優としてのスタイルを確立していった。最近の成功例といえば、“おバカキャラ”から見事な卒業を果たした川栄李奈が挙げられる。高い演技力が評価されて映画やドラマなど話題作への出演が相次ぎ、10月公開の『恋のしずく』(ブロードメディア・スタジオ)では映画初主演を飾った。
指原は19年4月28日の横浜スタジアム公演をもって卒業、5月28日にはマリンメッセ福岡でファンに向けた“最後の挨拶”が行われる予定だ。15日更新のブログで「平成のギリギリまでアイドルとして粘りたいと思います」と綴った指原が、今後どのような道を歩むのか注目していきたい。
(文=編集部)