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沖有人「不動産の“常識”を疑え」

新築ワンルーム投資などやってはいけない?約30年間キャッシュアウトで収支マイナスに

文=沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント

 失敗したと思っても、ずっと物件を持っているよりも売ったほうが傷は浅くなる。そのためには、毒をもって毒を制すことをおすすめする。不動産には不動産を充てると損益は通算しやすい。そのためには自宅を購入することだ。自宅も不動産投資同様にローンを組んで購入することになる。自宅の住宅ローンの場合には「フラット35」というセーフティネットが存在する。民間の低利の変動金利が借りられなくてもフラット35は借りられる可能性がある。それに、フラット35なら自分の年収が高ければ頭金なしで物件を購入する、フルローンという方法も取れる。

新築ワンルームの損失を自宅の利益で相殺

 ローンさえ借りられれば、独身者でも自宅を買って資産形成して、自宅の利益とワンルームの損失を相殺することができる。なぜなら、自宅は一般の不動産投資と違って、金利が安く、税制が優遇されており、値下がり幅が小さいからだ。

 金利は一般の不動産投資が約2%前後なのに対して、自宅は最低金利が0.5%ほどと低い。賃料の表面利回り3.5%から2%を引くと1.5%しか残らないが、0.5%の金利なら、3%残る。これに加えて、優遇税制で自宅の住宅ローンを組むとローン残高の1%が還付される。マイナス0.5%の金利なので、実質利回りは4%になる。投資の損失を毎年4%の利回りの自宅で相殺するのだ。

 先ほど説明したように、ワンルームの年間収支はマイナスになる。家賃よりもローン返済が多く、固定資産税もかかるので、数十万のマイナスは毎年出る。これと相殺するために、自宅の住宅ローンを組むとローン残高の1%が還付される。これは最大40万円もらえるので、これで補填できることになる。支払う税金を還付される税金で返す方法になる。このためには自宅は50平方メートル以上にしなければ、この還付の税制が受けられないので気をつけよう。

 また、売却したときの利益には不動産投資では20~40%程度の税率がかかるが、自宅は3000万円まで無税になる。自宅で値上がり益が出やすいのは、次に買う人が自宅目的だからだ。これが投資になると、少しでも安く買いたい人ばかりなので購入価格が安くなりがちだ。しかし、自宅は気に入れば買う人が多いので、値崩れがしにくい。結果として、自宅の値下がり幅は都心部に近ければ年間1%と下がりにくくなる。不動産投資が2.5%は下がることから、ここでも毎年1.5%の差が生まれる。金利と税制の差と合わせて、かなりの差があることになる。

沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント

沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は28万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。
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