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成功する「選択と集中」――何をやめ、何を強めるべきか(1)

なぜ1個3000円のガトーショコラがバカ売れするのか?ネット通販なしでも年商3億円の戦略

文=編集部
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 ここで、氏家氏は大きな決断をする。それはガトーショコラの値上げであり、ケンズカフェのスペシャリテ(看板商品)に据えるということだった。

 1本500gで1300円から量を半分に、価格を1500円に。実質2倍以上の値上げである。このとき、氏家氏には明確な戦略があったようだ。既存客よりも新規客の獲得に力を入れるという方針である。

大幅な値上げと、ガトーショコラ一本化の狙い

 商品価値を高めるこの方策は、狙い通りの効果を見せた。

 さらに08年、人気テレビ番組でガトーショコラが相次いで取り上げられた。ここで氏家氏は3度目の値上げに踏み切り、値段を3000円にした。実質的に価格は元の4倍以上にアップしたことになる。また、材料やパッケージもより高いレベルのものを使い、最高級のクオリティを目指したのだ。

 また、さらに大きな決断を下す。それはガトーショコラ以外の商売をやめるというものだ。このとき、利益率の高い宴会は保険のために残したが、それも14年の段階で撤退している。

 氏家氏にとって、ランチや喫茶はビジネス的に非効率だった。店名も「ケンズカフェ」から「ケンズカフェ東京」に変更。この結果、09年に年商3000万円を超えると、10年には年商4700万円、そして宴会から撤退した14年は売り上げ1億5000万円を達成したのである。

「戦略とは戦う場所を決めること」とされますが、私の場合、「戦略はガトーショコラに一本化」することでした。(p.47より引用)

 さらに、氏家氏はどんどん「やめていく」。

 15年にはガトーショコラのネット通販をやめ、テイクアウトのみにしぼった。通販は売り上げの7割を占めていたが、トラブルが多く、銀行振り込みを選択したのにいつまでたっても振り込まない人、到着が少し遅れたという理由で料金をタダにしようとする人など、悪質なケースもあったという。

 それでも売り上げを落とさなかったのは、ケンズカフェ東京のガトーショコラが「直接買いに行っても食べたい」と思わせる価値のある商品になっていたからだ。

BusinessJournal編集部

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