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ショーボンド、無敵の経営…日本のインフラ補修に「なくてはならない企業」

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 各社の更新計画を見ると、NEXCO3社で3兆円超、首都高速で6,000億円程度、阪神高速は3,000億円台後半の費用がかかるとしている。2020年の東京オリンピックに向けてのインフラ整備需要も、同社の業績の追い風になるとの見方がある。

 事業特性を見ると、ショーボンドは中国など海外で売り上げを拡大してきたわが国の企業よりも、業績の安定性が高いといえる。10月以降、世界的に株価が下落基調となるなか、当面のリスクを避けるために景気動向に敏感な銘柄よりも、中期的な業績期待が相対的に高い同社の保有を選好する市場参加者もいるようだ。

さらなる成長に必要な取り組み

 
 ショーボンドが発表した2019年6月期から2021年6月期までの中期経営計画をみると、同社は発注者別に見た工事売上高に関して、その40%を高速道路、30%を地方自治体、20%を国土交通省から得ることを目指している。今後、収益の構造が大きく変わることは想定されていない。売り上げ全体としては、670億円が目指されている。2018年6月期の売り上げ高は597億円だった。

 今後の経営に関して、同社には新しい取り組みを期待したい。同社がさらに持続性のある収益源を確保することができれば、成長への期待は一段と高まる可能性がある。そのために必要なことは、アジアを中心に新興国のインフラ関連需要を取り込むことだろう。

 わが国では少子化と高齢化、人口の減少が3点セットで進んでいる。そのなかで高度成長期のように国内の公共事業が増加し、建材や建設関連の企業業績が大きく拡大する展開は期待しづらい。国内で収益の大半を確保してきた同社にとって、収益源を分散する意義は高いといえる。

 そう考えると、同社は積極果敢に海外事業の育成に取り組んでもよいだろう。財務内容を見ても、同社の自己資本比率は80%を上回っており、リスクテイクの余力はあると評価できる。その強さを今後の成長に生かす発想があってもよいはずだ。

 すでに、アジア新興国でのインフラ需要をめぐる競争は激化している。足許では、中国が「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロードからなる広域経済圏構想)」を進め、各国のインフラ需要を取り込もうとしている。その動きに賛同する国も増えてきた。競争は激化してはいるものの、わが国のインフラを支えてきた同社が需要を獲得することは可能だろう。

 7月、ショーボンドはプロジェクト・チームを発足させ、米国やアジアでの市場調査に着手し始めた。まずは、需要の動向を確認しつつ、現地企業などのアライアンス(業務の提携)などを通して、自社製品の良さ、技術力の高さといった優位性をアピールしていけばよいだろう。国内での受注を増やしつつ、同社が海外で収益を確保し、さらなる成長を目指す展開を期待したい。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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