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成功する「選択と集中」――何をやめ、何を強めるべきか(2)

商品は高級ガトーショコラのみ、実質4倍の値上げ…常識破りの決断で大成功の舞台裏

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『余計なことはやめなさい!』(集英社/氏家健治)

 どのようにビジネスの戦略を立てて収益を伸ばしていくかというのは、経営者にとって悩みの種だろう。特に中小企業は、なんとか収益をあげるために手広く展開しようとして逆に疲弊してしまいがちだ。

 ケンズカフェ東京のオーナーシェフである氏家健治氏が執筆した『余計なことはやめなさい!』(集英社)は、経営者にとって「何をやめるべきか」「どこにフォーカスすべきか」という「選択と集中」の教科書的な一冊である。がんばっているのに成果が出ない、いろいろなことを手広くやりすぎて失敗する。そこから抜け出すには、「どこにお金をかけるか」の選択が大切になる。

 今年創業20年を迎え、最高級のガトーショコラのみで年商3億円の売り上げを見込むケンズカフェ東京の経営の「軌跡」は、まさに「選択と集中」のお手本だ。氏家氏の手法を4回の連載で紹介していく。

 第2回の今回は、「何をやめるべきか」がテーマだ。

「やめる」という思い切った決断

 最高級のガトーショコラを提供するケンズカフェ東京。1998年の開店からしばらくは赤字経営に悩まされたが、5年目にディナー営業をやめると少しずつ上向きになり、20年の節目を迎えた2018年は年商3億円の見込みだ。

 では、この20年で氏家氏はいったい何をやめてきたのか。箇条書きで示そう。

・ディナー営業をやめた
・ランチと喫茶の営業をやめた
・宴会メニューの営業をやめた
・ネット通販をやめた
・シェフもやめた

 もともと、ケンズカフェ東京はイタリアンレストランとしてスタートした。ディナー営業がメインで利幅の薄いランチは集客の意味合いが強かったが、新宿御苑という立地では新宿方面に客が流れるため、なかなかディナー客が集まらない。

 そこで困窮した氏家氏は、思い切った決断をする。それが「やめる」ということだ。

 この20年で、氏家氏はマーケティングの4Pのうち、3つのPにメスを入れ、ひとつのPを強化している。

 マーケティングの4Pは、プロダクト(商品・サービス)、プライス(価格)、プレイス(流通・店舗)、プロモーション(宣伝活動)のこと。このうち、氏家氏がメスを入れ、徹底的に見直したのがプロダクト、プライス、プレイスの3つである。

氏家氏は「3つのP」をどう見直したのか

 では、いったいどんなメスを入れたのだろうか。

(1)プロダクト

 プロダクトについては、まさにガトーショコラ一本にしぼったということが大きいのだが、それだけではない。

 ディナー営業をやめたことも非常に重要だ。飲食店にとってディナー営業は「当たり前のこと」と認識されているが、そこに「余計なもの」が潜んでいると氏家氏は指摘する。

 14年には完全受注生産の宴会部門もやめたが、それによってガトーショコラ一本にしぼることができた。これは、氏家氏自身のビジネスの道をよりクリアにするために必要な決断だった。

 また、プロダクトをガトーショコラのみに絞り込んだ結果、売れ残った際の廃棄ロスと販売機会ロスがなくなった。廃棄ロスを気にして販売数を減らすと、逆に品切れが起こり、販売機会のロスになる。商品をガトーショコラに一本化することで生産個数をコントロールできるようになり、無駄を削減することができたのである。

『余計なことはやめなさい!』 商売の「常識」を捨てたら、好循環が始まった! 倒産危機だったレストランが「たった1つの商品」で、年商3億円!! 食べログ「全国チョコレート店ランキング」第1位の店の成功メソッド。 amazon_associate_logo.jpg

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