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永濱利廣「“バイアスを排除した”経済の見方」

暖冬の“エルニーニョ不景気”到来の足音…経済マイナス成長の過去も

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「Gettyimages」より

暖冬をもたらすエルニーニョ

 世界的に異常気象を招く恐れのあるエルニーニョ現象が発生している。気象庁が11月9日に発表したエルニーニョ監視速報によると、ペルー沖の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響等で暖冬となる見込みとされており、気象庁が11月21日に公表した向こう3カ月の予報でも、全国的に気温が高くなりがちと予想している。

 エルニーニョ現象とは、南米沖から日付変更線付近にかけての太平洋赤道海域で、海面水温が平年より1~5度高くなる状況が1年から1年半続く現象である。エルニーニョ現象が発生すると、地球全体の大気の流れが変わり、世界的に異常気象になる傾向がある。

 近年では、2015年夏から2016年春にかけて発生し、北海道を除く北日本で平年より10日-14日以上遅い初雪・初冠雪、沖縄では12月に長期的な高温を観測した。また12月は日本国内のみならず、国外の多くで北半球最大規模の大暖冬となった。

 気象庁の過去の事例からの分析では、エルニーニョ現象の日本への影響として、梅雨入りと梅雨明けが遅くなることで夏の気温は低めとなり、冬の気温は高めとなる傾向がある、ということ等が指摘されている。

エルニーニョ発生時期の景気後退確率は1.8倍

 実際、エルニーニョ現象の発生時期と我が国の景気局面には関係がある。というのも、過去のエルニーニョ現象発生時期と景気後退局面を図にまとめると、1990 年代以降全期間で景気後退期だった割合は26.1%となる。しかし驚くべきことに、エルニーニョ発生期間に限れば46.7%の割合で景気後退局面に重なっており、エルニーニョ発生時の景気後退確率は1.8倍となることがわかる。


 実際、2015年のエルニーニョ発生局面では記録的な暖冬に見舞われた。気象庁の発表によると、10-12月期の全国平均の気温は前年より+1.2℃程度高くなった。この暖冬の影響で2015 年10-12 月期の消費支出(家計調査)は前年比▲3.2%の減少に転じた。特に、被服履物が冬物衣料の売り上げが不調となったことから、同▲11.5%の落ち込みを記録した。また、交通関連を見ても、暖冬の影響は明確に表れた。同時期の交通・通信支出は暖冬の影響で冬のレジャーやタクシー利用が落ち込み、車関連でもスタッドレスタイヤ等の冬物商材が落ち込んだことで売り上げが低迷した。保険医療の支出動向も製薬関連が落ち込み、全体として低調に推移した。

 国民経済計算ベースで見ても、暖冬の影響が及んだ。2015年10-12月期の実質国内家計最終消費支出は前年比+0.3%と伸びが急速に鈍化し、家計調査同様に被服履物の支出額が大幅に減少した。また、冬のレジャーの低迷により娯楽・レジャー関連でも暖冬がブレーキとなった。

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