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山崎将志「AIとノー残業時代の働き方」

グーグル社、チームの生産性を高める方法を大規模調査…解明された衝撃の“答え”

文=山崎将志/ビジネスコンサルタント

 しかしながらプロジェクトは、考えられるありとあらゆる切り口でデータを分析しましたが、なんのパターンも見つけることができませんでした。

 例えば、特に優秀だと評価されているチームをいくつか見てみると、仕事が終わった後も一緒に遊びに出かけるチームもある一方で、会社の外ではほとんど交流しないチームもありました。また、強力なリーダーを必要としたチームもあれば、個々の意見が尊重されるフラットな組織を好むチームもありました。面白いことに、傍から見るとほとんど同じに見える2つのチームの業績が、正反対だったこともありました。

 結局、メンバー構成が業績の違いを生み出すという有意な証拠は発見できませんでした。要するに、性格、行動、バックグラウンドの要素は、チームの成功に影響を与えないということです。

 プロジェクトチームは、次に「組織の規範」に着目しました。組織の規範とは、我々が集団として活動する際に、その集団を支配する行動基準や不文律のことです。組織の規範はチームに大きな影響を与えます。組織の規範は個人のそれよりも優先されるからです。

 調査を始めたところ、新たにいろいろなことがわかってきました。討論よりも、コンセンサスを重視するチームもあれば、納得いくまでとことん議論したり、常識を打ち破るようなアイデアを出したりすることを重視しているチームもありました。

 誰かが発言している途中で他の人が口を挟むチームでは、リーダー自身がそれをすることによって、その特徴が強化される傾向にあります。一方で人が話しているときには最後まで聞くことを重視するリーダーもいます。そのようなチームでは、誰かが途中で口を挟むと、ほかのメンバーが、最後まで聞くようにと丁寧に促します。

 全員が好きなだけしゃべるほうがいいのか、強いリーダーシップがあちこち脱線する議論を終わらせるほうがよいのか。人の意見に対して気軽に反対意見を述べるほうが有効なのか、それとも摩擦は避けるべきなのか。データからそれは見えてきませんでした。パターンが多すぎることは、何もパターンがないよりも悪いことです。

 つまり、組織の規範に関しても、決定打は見つけられなかったというわけです。

山崎将志/ビジネスコンサルタント

山崎将志/ビジネスコンサルタント

ビジネスコンサルタント。1971年愛知県生まれ。1994年東京大学経済学部経営学科卒業。同年アクセンチュア入社。2003年独立。コンサルティング事業と並行して、数社のベンチャー事業開発・運営に携わる。主な著書に『残念な人の思考法』『残念な人の仕事の習慣』『社長のテスト』などがあり、累計発行部数は100万部を超える。

2016年よりNHKラジオ第2『ラジオ仕事学のすすめ』講師を務める。


最新刊は『儲かる仕組みの思考法』(日本実業出版社)

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