群雄割拠の芸能界のなかで、2018年もさまざまな人材がブレイクを果たした。ほんの一部ではあるが、その顔ぶれを振り返ってみよう。
代表格は、俳優の田中圭で文句なしだろう。以前から名バイプレーヤーとして存在感を発揮していたが、4月クールの連続ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)でノンケの主人公・春田創一を好演したことで人気が爆発。33歳(当時)にして一気にブレイクした。
『おっさんずラブ』は「2018ユーキャン新語・流行語大賞」にトップ10入りし、同作の影響で16年に発売した『田中圭 PHOTO BOOK「KNOWS」』(東京ニュース通信社)と『R』(ぴあ)の2冊の写真集が重版になるなど、社会現象といってもいい広がりを見せた。
田中にとって18年は、バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の「ゴチになります!19」にレギュラー出演し、12月にはAbemaTVで『田中圭24時間テレビ』が配信されるなど、まさにノリにノッた1年といえる。19年夏には主演を務める『おっさんずラブ』の劇場版が公開されるため、旋風はまだまだ続きそうだ。
女優では、こちらも30代(32歳)の安藤サクラが挙げられる。田中と同じく名脇役との印象が強かったが、6月に公開されたリリー・フランキーとのダブル主演映画『万引き家族』(ギャガ)がカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞、自身も国内で数々の映画賞に輝いた。
10月からはNHK連続テレビ小説『まんぷく』のヒロインを務めており、同作が高視聴率を記録していることもあって、さらに女優としての評価を上げている。まさに、18年は国民的女優としての地位を築いた1年といえるだろう。
また、モデルで女優の広瀬アリスも露出が激増した。これまでは妹・広瀬すずの陰に隠れていた感が強かったが、18年は3月まで放送されていた朝ドラ『わろてんか』(NHK)への出演で知名度を上げ、ドラマ、映画共に4本に出演、多様な役柄を演じ分けたことで女優としての評価が急上昇した。
さらに、CMやバラエティ番組にも引っ張りだこで、すずとの“姉妹格差”を完全に解消したといえる。19年は、安藤からのバトンをつなぐかたちですずが朝ドラ『なつぞら』(NHK)のヒロインを務めるため、広瀬フィーバーが衰えることはなさそうだ。
お笑い界からは、ANZEN漫才のみやぞんが思い浮かぶ。以前からバラエティ番組で活躍していたが、8月の『24時間テレビ41 愛は地球を救う』(日本テレビ系)でチャリティーランナーを務め、番組初のトライアスロンを完走したことで世代を超えて支持される存在に。さらに、何かと殺伐とした時代に明るく親しみやすい“いい人キャラ”で人気を集めている。
キムタク次女の微妙な“ブレイク”事情
真のブレイクといっていいかどうかは意見の分かれるところだが、18年の芸能界に彗星のごとく現れたのが、モデルのKoki,だ。5月に発売された「ELLE JAPON」(7月号/ハースト婦人画報社)でモデルデビューを果たした彼女は、木村拓哉と工藤静香の次女ということで一躍注目される存在に。15歳ながら身長170cmという抜群のプロポーションが目を引く一方で、「露骨な親の七光り」「単純に魅力的でカッコいい」と議論の的となった。