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異常を感じ心電図検査して「異常なし」→実際は冠動脈が梗塞→急性心筋梗塞発症で死の淵

文=道明寺美清/ライター
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 八丈島に移住後は、月の半分は東京で仕事をする生活となった。しばらくは体調も落ち着いていたが、09年2月から頭痛や疲労感を覚えるようになったという。また、左半身になんともいえない気だるさを感じることもあった。しかし、わずか10~20分で、その気だるさも消える。やはり仕事のしすぎかと、甘く考えていた。ところが、同年3月2日の朝、運命の時が来た。

「前日も遅くまで楽しくお酒を飲んでいました。朝起きて洗顔をしていると、かつて悩まされた心臓の違和感を抱き、ベッドに横になっていましたが、どんどん苦しくなってきたのです。『このまま死ぬのかも』と思った時、予定していたリフォームの工事業者が来て、私を見て異変に気づいて救急車を呼んでくれました。あのリフォームの予定がなければ、私はそのまま死んでいたかもしれません」(同)

猶予は5時間

 救急車で運ばれた藤川氏は、苦しさのあまりまったく話すことができなかった。運ばれた病院で苦しむ藤川氏に告げられた医師の言葉は、厳しいものだった。

「あなたは急性心筋梗塞です。治療の方法は3つ。投薬かステント治療、バイパス手術です。しかし、八丈島ではステント治療、バイパス手術はできません。投薬をして5時間以内に手術をしないと助かりません。しかし、投薬にも危険が伴うので、同意書にサインしてください。手術には、本土の病院へ搬送しなければいけません。ドクターヘリを呼ぶには付き添い人がいないと呼べません。苦しむ僕を医師の言葉がまくし立てましたが、そのまま死ぬわけにはいかないので、投薬の同意書に虚ろな意識でサインをしました。困ったのは、付き添い人です。なんとか付き添ってくれる人を探しドクターヘリを呼べましたが、実際には5時間はとっくに過ぎていました」(同)

異常なしの検査結果に隠れていたものは

 都内の病院に搬送され、判明した事実に驚愕したという。

「それまでの心電図検査で異常なしと言われていた私の心臓は、実際には左右の冠動脈が梗塞を起こしており、すぐに2箇所のステント手術が必要だと言われました。今までの検査はなんだったんだという怒りが湧いてきました」(同)

 検査よりも、藤川氏自身が感じていた異変のほうが確かなサインだったわけだが、ドクターヘリから手術まで5時間を超えていたにもかかわらず助かったのは、藤川氏の生命力、生きたいという気力が成した結果かもしれない。

 09年のバイパス手術以降は順調だったが、2018年に入り再び体に異変を感じた。

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