コインチェックの18年3月期の凄まじい儲けぶりが個人投資家の頭に焼き付いている。サービスを全面再開し、正式な登録業者になれば、「ボロ儲け間違いなし」と信じている個人投資家が、まだまだ存在するようだ。

仮想通貨バブル”が弾け、個人投資家は大損

 仮想通貨を取り巻く環境は様変わりした。

 11月6日付日本経済新聞は、「ビットコインの円建て売買はピークの25分の1に沈む」と報じた。

「特に仮想通貨離れが深刻なのが、若者を中心にバブルに沸いた日本市場だ。(中略)ビットコイン価格は3月を最後に1万ドルに届かず、6000ドル台で膠着状態が続く。17年に年間で15倍近くになった値動きをみて参入した個人も多くが含み損を抱える」

“仮想通貨バブル”のピークは、17年12月~18年1月の2カ月間だった。一攫千金を夢見て参戦した個人投資家たちは、まったく当てが外れ、大損をした。彼らは仮想通貨市場に戻ってこないとみられている。

 11月20日、1年1カ月ぶりに1ビットコイン=5000ドルを割り込み、3500ドル近辺まで下げる場面もあって、年初来の安値圏での取引に終始した。その後は下落に拍車がかかり、12月中旬に3100ドル台。ビットコインの価格は一時、ピーク時の5分の1となった。

 投機マネーが消えれば、どうなるか。“株バブル”や“不動産バブル”の崩壊後、証券市場、不動産市場は長い間、低迷が続いた。“仮想通貨バブル”も同じだ。無から有を生み出してきた仮想通貨の価値は著しく低下。栄光の日々は夢のまた夢でしかなかった。

 マネックスグループの2018年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる営業収益が前年同期比7%増の264億円、純利益は13%減の17億円だった。信用取引の手数料を引き下げたことや、システム関連費用の増加が響いた。4~9月の中間配当は前年同期より1円少ない2円70銭とした。

 コインチェックの収益力に期待したが、思惑通りにはいっていない。マネックスGおよび松本社長の大いなる誤算だろう。

 12月12日、マネックスGは事業戦略説明会を開いた。松本氏は、それでも「仮想通貨事業を国内外で拡大する」方向性を打ち出した。松本氏は「大きなビジネス機会がある」と持論を展開。「今後は米国やアジア地域で仮想通貨事業を本格化させたい」とも述べた。

 松本氏はビットコインなどの価格急落を「あくまで一時的」とみているが、果たしてこの見立ては正鵠を得ているのだろうか。一方で「ビットコインは終わりの始まり」といったシビアな意見もある。

 コインチェックの勝屋敏彦社長は1月11日、都内で記者会見し、「システムをはじめ内部管理体制の強化に不断の努力をしていきたい」と述べた。
(文=編集部)

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