ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal
逆にいえば、「『下町ロケット』が嫌い」という人は、その視聴者を誘導するような脚本・演出が肌に合わず、しらけてしまうのだろう。『下町ロケット』がファンを引きつけているのは、ハラハラドキドキや意外性ではなく、「イメージ通りになった」という安心感。「ある程度、展開がわかっていて応援できる、涙を流せる」という意味では、「映画の応援上映」に似た感がある。
正月にふさわしい時代劇風ドラマ
特別編も、「ランドクロウ」の売り上げが伸びない、的場がさらに強引な手段に出る、重田も負けじと猛反撃、殿村が再び自然災害に襲われるなど、波乱含みという。
一方、軽部真樹男(徳重聡)との絆が育まれた佃製作所は盤石。「週刊少年ジャンプ」(集英社)の三大原則「友情・努力・勝利」に置き換えると、「友情」「努力」はほぼ見せ切っただけに、最後は一丸となった姿を見せて「勝利」を得るのみだろう。正月というおめでたい時期に、どんな大団円を見せてくれるのか、期待していいはずだ。
かつて、正月のテレビ番組には時代劇がつきものだった。『下町ロケット』を手掛ける伊與田英徳プロデューサー×福澤克雄監督のドラマは、「けれんみあふれる勧善懲悪」「男たちが熱く戦う物語」という特徴から、よく「時代劇に似ている」と言われる。
もし『下町ロケット』の特別編が結果を残したら……伊與田×福澤が手がける秋ドラマの特別編が、正月の新たな定番になるかもしれない。
(文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト)
●木村隆志(きむら・たかし)
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。
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