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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

仮想通貨をやる人への税務調査が本格化している…ネット取引での儲けが税務署にバレる仕組み

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
仮想通貨をやる人への税務調査が本格化している…ネット取引での儲けが税務署にバレる仕組みの画像1「Getty Images」より

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな通貨は「ペリカ」です。

 1年前の熱気が嘘のように、仮想通貨の話を誰もしなくなりました。かつて若手芸人たちの楽屋での話題といえば、やれビットコインを買え、やれネムを売れ、やれリップルが来る、といった投機のことで、誰もが夢を見て目を血走らせていました。しかし、今は誰もそんな話はしていません。

 利益を出した人も、一部にはいたでしょう。そういった人たちは、正しい申告をしなければ、常に税務調査で追徴されるリスクにさらされています。「どうせばれないだろう」「ネットの取引だから大丈夫だろう」「海外の交換所だから大丈夫だろう」「ほかの仮想通貨に換えたから大丈夫だろう」「家族の名義だから大丈夫だろう」「自分だけは大丈夫だろう」などということを考え、無申告のプレーヤーが大勢いるようです。ただ、事態はそんなに甘くありません。

 いよいよ、仮想通貨の税務調査が行われているとの情報が、僕のところへも届いています。それも、数百万円規模の無申告という、税務調査に着手する金額としては決して大きいとはいえないものでした。その調査が、どのようなきっかけで行われたのかはわかりませんが、情報提供(いわゆるタレコミ)があったのかもしれませんし、別件で調査に着手したら、たまたま仮想通貨の取引が無申告だったのかもしれません。

 新聞では、ある男性が奥さんの口座を利用して取引し、5000万円の申告漏れ、2400万円を追徴されたことも報道されていました。これは住民税を含めると、3000万円程になります。

 このような調査結果が報道されるのは珍しいといえます。通常、脱税か大きな金額の申告漏れでない限り、会社名や調査内容が公開されることはありません。国税庁は、法人税や所得税の調査実績を発表していますが、かなり探しても仮想通貨取引の調査結果を数字で示したものは見つかりませんでした。記者クラブの誰かが、国税局の偉い人から聞いたのでしょうか。

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)、『お金持ちがしない42のこと』(Kindle版)がある。
さんきゅう倉田公式ホームページ

Twitter:@thankyoukurata

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