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韓国のレーダー照射は「危険行為」に該当せず…根深い韓国軍の反日姿勢、日本を仮想敵国化

文=田岡俊次/軍事ジャーナリスト
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 これらの協定は互いの海軍の監視行動を認めたうえで、衝突防止の方法や、事故の場合の情報交換、危険な行為の禁止を定めている。日露協定の第3条の(6)は艦船が他方の艦船、航空機に対し「砲、ミサイル発射装置、魚雷発射管その他の武器を指向することによる模擬攻撃」を行うこと。「艦船の航行に危険となるおそれのある物体を、他方の艦船の方向に発射すること」「他方の艦船の艦橋又は航空機の操縦席を操照灯などで照射すること」「他方の艦船、航空機の乗員、または搭載装備を害するような方法でレーザーを使用すること」「他方の艦船又は航空機に向け危険となるような方法で信号弾を発射すること」などを危険行為として禁じている。

 もしロシア艦が日本の艦船、航空機に対し火器管制レーダーを向けた場合、日露海上事故防止協定では、それは禁止対象になっていないため、日本が抗議しても反論される。一方、そうした協定がまだない中国、韓国に対しては抗議するという変なかたちになってしまう。

 今後、中国、韓国とも海上事故防止のために、禁止とする危険行為を具体的に描いた協定を結ぶことが望ましいが、ロシアとは禁じ合っていない行為を中国、韓国とは互いに禁止とするのは整合性に欠ける。ロシアに対しても火器管制レーダー照射を禁じるように協定改定を持ち掛けても、ロシアは米国はじめ多くの国々と同様な協定を結んでいるから変えるのは困難だろう。

米ソ海軍は危険視しなかった

 1972年に米ソが結んだ協定は今日の実態にそぐわない点がある。協定で「ミサイル発射装置を指向する」ことを禁じたのは、当時の対空、対艦ミサイルは発射機に装填し、目標の方向に向けて発射するものがほとんどだったからだ。

 だがその後、艦載ミサイルの多くは甲板に埋め込んだ垂直発射機に入れて多数を立てて並べ、まず真上に発射されてから目標に向かうコースをとるものが主流となった。ミサイル発射装置を他国の艦や航空機に「指向」しなくても発射できる現在では、火器管制レーダーの照射に昔よりも敏感にならざるを得ない。

 韓国の「広開土大王」型駆逐艦も、対空ミサイル「シースパロウ」16発を入れた垂直発射機を艦首に装備している。だが垂直発射機は、ミサイルの数だけずらりと並んだハッチを開けなければ発射はできない。火器管制レーダーで相手の艦や航空機を照射し続け、かつ垂直発射機のハッチを開けたなら、攻撃の構えを示す「模擬攻撃」に当たるだろう。もちろんハッチを開けたか否かは近距離でないとわからないが、以前でもミサイル発射機がどちらを向いているかは遠方からはわからなかった。

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