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ツタヤ図書館が目玉の和歌山市駅前再開発、94億円の税金投入…疑惑浮上

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 国から補助金を受けられる事業として認定されるためには、人が呼べる公共施設は不可欠。なかでも図書館は中心拠点誘導施設として最適。まさに、巨額補助金が支給される駅前再開発のダシに図書館が使われているといえる。

 では、和歌山市では、どのようにして和歌山市駅の再開発は話が進んだのだろうか。ある市議会関係者は、尾花市長就任の経緯を次のように明かす。

「大橋建一前市長は、ハコモノが大嫌いな人でした。とにかく財政を立て直すことを優先していたので、保守系からは『失われた10年』などと揶揄されていたほどです。その後任としてかつがれたのが、県の県土整備部長だった尾花さんでした。そのため、周りの期待はかなり大きかったと思いますよ」

 当時、市政の当面の課題だったのが、乗降客数が減り続けていた和歌山市駅とその周辺の再開発。乗降客数は1日2万人と、1972年の駅ビル完成当時と比べて半減。駅前の賑わいのシンボルだった高島屋が13年に撤退を表明してからは、市議会や県議会でも中心市街地の空洞化対策に関する質問が相次いだ。

 そんななか、大橋前市長の市長選不出馬表明を受けて登場したのが、県土整備部長だった尾花氏だ。13年秋に県庁を60歳で退職し、14年8月に市長に当選後は、盤石な政治基盤を築いてきた。

 そんな尾花氏が市長に就任する直前から始まり、市と県と南海電鉄の三者で和歌山市駅再開発について話し合うために設置されたのが、「南海和歌山市駅活性化調整会議」だった。

ツタヤ図書館誘致を導いたコンサルタント

 3番目のポイントは、ツタヤ図書館という「集客装置」を計画の中にあらかじめ盛り込んだコンサルタントの存在である。

 先述した通り、14年11月には調整会議メンバーが和歌山市から大挙して武雄市の図書館に押し寄せている。すでに復命書は廃棄されているので詳細は不明だが、総事業費123億円の市駅再開発プロジェクトの目玉となる、自称「年間100万人が押し寄せたツタヤ図書館」は、視察団の目にどう映ったのだろうか。

 下の図は、視察2カ月前の14年9月に発表された行政文書だ。都市計画の公共施設配置の構想のなかには、すでに武雄市と宮城県多賀城市における「CCCが運営するツタヤ図書館」がクッキリと描かれていた。

『和歌山市 まちなかエリア 公共施設の課題整理と再構築の方向性について 平成26年9月』より

 ここでは4つの事例が紹介されているが、指定管理者がクローズアップされているのは武雄市と多賀城市。この時点で多賀城市は、まだ新装開館どころか、建物すら完成していないにもかかわらずだ

 この案を基に都市計画が15年に策定され、16年には国交省の社会資本総合整備計画事業に認定された。発表された事業構想では、ホテルや商業施設も入るオフィスビルに駐車場、駅前広場などの整備が盛り込まれていたが、事業の目玉は、駅ビルを建て替えた後に建設される4階建の新市民図書館だった。

 いったい、誰がこんなに巨額の補助金が出る開発計画の絵を描いたのだろうか。その点については、次号で詳しく迫っていく。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

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