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東京・千代田区と文京区への「公立小“移民”」急増…中高一貫の九段中学効果も

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千代田区立九段中等教育学校(「Wikipedia」より/SANDO)

 今般、少子化で子供の数は減少の一途をたどっている。それは、都心回帰で人口が微増している東京都も例外ではない。子供の数が減少していることに伴い、東京都23区内では小中学校の再編計画が急ピッチで策定されてきた。それと前後して、中学校の学区を廃止。区内の中学校なら、各家庭が自由に学校を選べる制度も導入された。「あの中学校は荒れている」「あの中学校は進路指導がしっかりしている」という保護者間の評判で、各中学校の浮沈が左右される。学校の選択制が導入されたことで、生徒が集まらない学校と集まる学校の差が鮮明になった。

 従来から東京圏では、教育環境の整った私立中学校への進学希望が強かった。そのため、公立中学校は私立中学校に人気を奪われてきた。私立中学の人気が高まるにつれ、私立小学校の人気も高まったが、最近では人気は小康状態を保っている。その理由にあるのが、「ランドセルを背負って、電車通学は不憫」「自宅から遠い小学校に通わせると友達ができにくい」といった子供への気遣いがある。こうして、小学校は地元の公立、中学校から私立へ進学というコースが選択される。

 しかし、同じ東京都23区の公立小学校でも、各区で教育水準や教育環境には段違いの差がある。一般的に、千代田区や文京区は教育環境が整っているといわれる。そのため、千代田区や文京区に引っ越して、子供たちを教育レベルの高い小学校に通わせよう、教育環境が整った地で生活をさせようと考える保護者は年々増加しているのだ。

 子供を都心の小学校に入学させるため、わざわざ引っ越しをも辞さない保護者はいまや珍しくなく、そうした人々は「公立小移民」とまで呼ばれるようになった。

 今般、人口減少から不動産価格は下落傾向にある。しかし、五輪特需に沸く東京都心部は話が別。価格は下がることなく、むしろ上昇傾向にある。東京五輪閉幕で特需も鳴りを潜め不動産価格はゆるやかに低下すると思われがちだが、業界からは五輪特需後の東京都心部も不動産価格は堅調に推移するとみられている。

 東京都心部の不動産価格を下支えするのは、教育環境の良い地域で子供を育てたいと願う公立小移民だ。今般、都心にマンションを建設するデベロッパーの多くは、公立小移民か高齢者の富裕層のどちらかをターゲットに据えているが、「マンションデベロッパーからすると、公立小移民も富裕層の高齢者も上客です。しかし、地元住民からは前者のほうが圧倒的に喜ばれます」と明かすのは不動産関係者だ。高齢者世帯は消費が鈍い。逆に、子供のいる世帯は買い物などで地域に金を落としてくれる。地域にとって、ありがたい住民でもある。

 マンション建設では、地元と仲良くやることが何よりも大きな課題になる。そのため、地域住民に喜ばれる公立小移民はマンションデベロッパーにとってもありがたい存在になっているのだ。

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