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ポケモンGO、プレイ復活者急増で再ブーム到来…人と人のつながり生み、人生を豊かに

文=大谷 俊/アナリスト

ポケモンGOの戦略的仕掛け

 なぜ、ポケモンGOはこれほどまでに人々をひきつけるのか。それは、このゲームの開発元であるナイアンティック社の戦略的な仕掛けに主因がある。それはゲームの内容そのものにとどまらず、コミュニケーションツールとしてのプラットフォームに、ポケモンGOというゲームを進化させることを意図したものだったからだろう。単なる捕獲を目的としたゲームから、より人と人のつながりを生みやすいツールへと有機的な進化を果たしている。

 また、Facebook上のコミュニティで展開される「新たなつながり」の創出機能は注目に値する。筆者自身、ポケモンGOをプレイし、コミュニティに参加していなければ出会うことはなかった職種やバックグラウンドを持つ方々とつながることができた。仕事上の利害関係もなく、シンプルにポケモンGOという共通項だけで、年齢も性別も職種も国籍も、多様なプレイヤーとのつながりができ、そこからポケモンGO関連にとどまらない、さまざまな情報を得る機会ともなっている。

 人と人のつながりを豊かにする概念として、「ソーシャル・キャピタル」というものがあるが、その考え方に基づけば、ソーシャル・キャピタルには血縁関係や同一組織に属するといった同質性の高いつながり(結束型)と、そうではない趣味など緩やかな共通項に由来するつながり(橋渡し型)が存在する。同質性の高いつながりは、結束が強い半面、排他的傾向を生みやすい。一方、後者の緩やかなつながりは、相互の利害関係が強くないことから、共通項があれば、たとえ異質なバックグラウンドの関係性であっても、つながりを得やすいという特徴がある。

 この異質な「つながり」を持っていること、それは人脈とも言い換えられるものである。ソーシャル・キャピタルの考えからすれば、同質のつながりの中にとどまるのではなく、異質なつながりを多く持つことは、多様な情報を得る場となり、新たな機会創出にも貢献するものと考えられ、近年では企業の人材教育の在り方にも、取り入れられている。SNSが登場し始めた当初、その機能は「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」と呼ばれる理論、すなわち、人と人のつながりはどんなに見知らぬ関係性であっても、途中に6人を介せば、つながっているとする考えをベースに設計されているといわれたが、進化したポケモンGOのその機能は、まさに緩やかなつながりを生み出すことで、新たなつながりを生み出すものであり、上述した緩やかなソーシャル・キャピタルとして機能しているといえるだろう。そして、18年12月には、原作のポケットモンスターには早くから導入されている個人間の対戦機能が、ついにスタートした。これは単にポケモンを捕まえるのではなく、それぞれのポケモンが持つ能力を組み合わせて、相手と戦うことが要求されるものであることから、捕獲よりもバトルに関心のあるプレイヤーをさらに引き込んでいくに違いない。

 また、Facebook上で展開されるコミュニティでも、ポケモンGOというつながりをきっかけとして、19年は新たな試みも模索されようとしている。実際にビジネスが生まれていくのではないか、そんなことも思いながら、筆者は今年も「ポケ活」に励むつもりである。
(文=大谷 俊/アナリスト)

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