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宅見勝射殺事件、五代目山口組・渡邉芳則組長の指示だった!21年目の真相告白

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――阪神・淡路大震災のときには、五代目山口組が水や毛布などの支援物資を配ったり炊き出しをしたりして、話題になりました。

宮崎 国内の大手メディアは取り上げませんでしたけど、海外メディアは「ギャングがボランティア」と大きく報道していました。あの頃の宅見さんは渡邉五代目と仲よく支援活動をしていたように見えたのですが……。わからないものですね。

――この射殺事件で、山口組の雰囲気が変わったといわれています。

宮崎 私もそう思います。タブーという点では、1985年の四代目射殺事件【※3】のほうが重いかもしれませんが、これは犯人も動機も明確でした。でも、宅見事件では中野さんが山口組執行部から「犯人」とされながらキッパリと否認し、逮捕もされなかった。

 一方で、宅見さんは事件の前から体調を崩していて、引退も考えていたことは当時の山口組の関係者ならみんな知っていたことです。

宅見氏の渡仏は安倍晋太郎が手配した?

――宅見さんが持病の治療のために1992年に渡仏されたことは、大きく報道されています。

宮崎 フランス政府が「ヤクザはダメだ」と入国を拒否したので、トンボ返りでしたけどね。この顛末は『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』(幻冬舎)に詳しいです。田中森一さんのベストセラーです。これを読むと、やはり宅見さんは糖尿で肝臓も悪くされているのがわかります。

 それによると、宅見さんの渡仏は田中さんの頼みで官房長官や外務大臣を歴任した安倍晋太郎事務所がサポートしたと書かれています。晋太郎は、宅見さんがヤクザとわかっていながら、田中さんの要請を受け入れて手配したんですよ。

 そしてフランス政府も、このときはマスコミが騒いだから拒否しただけで、その後に宅見さんはこっそり渡仏しています。帰国した宅見さんは田中さんにおみやげを渡していますが、フランスなのになぜかイタリアの高級ブランド品だったそうで、田中さんと2人で笑ったことがあります。

 だって、外相もやった晋太郎が段取りしているんですから、行けないわけはないでしょう(笑)。その息子である晋三は、そういう采配はまったくできないのはおもしろいですけどね。

 話はそれましたが、病気で引退まで考えているナンバー2をなぜ殺したのか。臆測がいろいろと流れたことで、組織の中に疑心暗鬼の空気が生まれてしまったようです。

 これに加えて、バブル崩壊による景気の低迷や暴対法の影響でシノギが厳しくなったことも、組織の空気が悪くなった原因だと思います。カネが回っているうちは不満があってもなんとかやっていけるものですが、そうもいかなくなってギクシャクしていったのでしょう。

 中野さんが自ら事件を語ることで、この疑心暗鬼が解けるかどうかはわかりません。むしろ、新たな軋轢を生むこともあるでしょう。ただ、本書は中野さんが「真実」をつづった貴重な資料ということだけはいえますね。ぜひ読んでみてください。

――ありがとうございました。

 後編では、警察の捜査動向や同様に謎が多い八幡事件などについて、引き続き宮崎氏の話をお伝えする。
(構成=編集部)

【※1】
1997年8月、兵庫県神戸市内のホテルのラウンジで五代目山口組・宅見勝若頭が射殺され、居合わせた一般客も流れ弾に当たって死亡した事件。国内最大組織のナンバー2の殺害と一般客の犠牲に「暴力団」への批判が高まった。事件当日から、山口組執行部は中野太郎会長率いる中野会の犯行と断定したが、警察の捜査はなぜか遅く、実行犯の指名手配と別件逮捕は半年後になる。絶縁処分を受けた中野会長は、自ら「うち(中野会)はやっていない。いずれ(山口組に)復帰する」とだけ語り、あとは沈黙を守った。

【※2】
刑法犯 認知件数・検挙件数・検挙率の推移(罪名別)

刑法犯 被害者と被疑者の関係別検挙件数構成比(罪名別)

【※3】
1985年に発生した四代目山口組・竹中正久組長銃撃事件。前年に四代目襲名に不満があって離脱した一和会(山本広会長)による犯行で、これをきっかけに「山一抗争」が激化する。

●宮崎学(みやざき・まなぶ)
1945年京都生まれ 監修を務めたベストセラー『悲憤』(講談社)のほか著書・共著多数。月刊『週刊実話ザ・タブー』で「宮崎学のブッタ斬り時報」を連載中。

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