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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

千葉・柏市、振り込め詐欺が全国平均の2倍…市の画期的対策で劇的効果、市民に責務

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――条例を制定したことで、被害を水際で防止する抑止力につながったということですか。そもそもですが、条例をつくったきっかけは、なんだったのですか。

竹之内氏 実は、切羽詰まった事態に直面したのです。平成25年に、柏警察署管内で刑法犯認知件数が10年前と比較して約半減したにもかかわらず、発生した振り込め詐欺被害は全国平均の2倍近い被害率、被害額は1億9500万円となってしまったのです。

――それはちょっとビックリな結果ですね。条例制定前は、なんの対策も講じていなかったのでしょうか。

竹之内氏 いえいえ。むしろ逆で、ポスターやチラシを配布して、啓発活動は熱心に取り組んできたつもりでした。それだけに、こうした結果を突きつけられて、担当部署の職員はいうまでもなく、柏市役所全体としても、言葉に表せないぐらいのショックを受けました。

社会全体で詐欺に対応する必要性

――何か理由は思いつかれたのですか。

竹之内氏 関係者で話し合いを行っても、行政としてやるべきことはいろいろと手がけて、一生懸命にやってきたつもりでした。それだけに、答えを見つけることができませんでした。そこで、犯罪学者であり、柏市が所属している全国安全都市会議の議長も務める清永賢二氏に相談に行きました。

自分たちが行ってきた啓発活動をお話させていただいたところ、「広報・啓発の方法が間違っている」と、ご指摘をいただきました。我々が行ってきたのは、結局、一般的で広義の啓発活動で、必要な人に届いてはいなかったということだと指摘を頂戴しました。

――手厳しいですね。

竹之内氏 とんでもないです。どうにかして改善策の糸口を見つけたかったので、ありがたいと思いました。また、詐欺被害の調査を実施することもアドバイスしていただきました。柏市には会員数約6000人が所属する柏市老人クラブ連合会があります。平成26年7月から9月にかけて、柏市役所と柏市老人クラブ連合会の共同開催で老人クラブの会員にアンケートを実施しました。

――アンケートでは、どんな質問をされたのですか。

竹之内氏 町名、性別、年齢層、同居人の有無、近所との関係、さらに直近2年間での被害の有無を丸で囲んでいただく質問を設けました。このほか、振り込め詐欺対策についての意見を自由に書き込める欄もつくりました。それ以外には、被害実態をお聞かせいただきたかったので、防災安全課や老人クラブ連合会の連絡先を書いておきました。どれぐらいの反応があるのか心配しましたが、期間内に3241人からご回答をいただきました。実際に被害を受けたときの話をお聞かせいただいて、「役立ててほしい」という方も結構いらっしゃいました。

――アンケートの結果分析から見えてきたことがありましたか。

竹之内氏 結論としては、誰もが被害者になり得るということでした。回答者の約10%が被害に遭いそうになった予備軍で、約1%は実被害者でした。詐欺電話は市内全域に発生し、松戸市寄りの地域に集中していることも判明しました。また、年齢層が高い方や、女性のほうが被害に遭いやすい結果が出ました。意外だったのは、近所付き合いが濃厚であっても、被害に遭っていることでした。こうしたことから、被害者だけでなく、本市、警察及び事業者等の社会全体で詐欺に対応する必要性を認識し、同条例制定につながったというわけです。 
(文=鬼塚眞子/一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表、保険・介護・相続ジャーナリスト)

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