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今、日本企業が「経営の介入」に怯える香港系投資ファンドの存在

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キャスティングボードを握ったエリオットは会社提案に賛成

 18年7月、米投資会社のエリオット・マネジメントが登場した。エリオットは、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)による半導体製造装置大手、日立国際電気のTOBの際に日立国際電気株を取得し、その後も買い増しに動いた。KKRは2度にわたってTOB価格を引き上げて(当初1株2503円→最終3132円)、やっとTOBを成立させた。

 エリオットが7月13日に関東財務局に提出した大量保有報告書によると、共同保有分を含めてアルパイン株を5.12%保有していた。その後も買い増しが続き、7月19日付で6.30%、7月27日付で7.33%に引き上げた。8月13日、共同保有分も含めてアルプス電気株を5.07%保有したと公表。さらに、8月22日には6.26%に高めた。

 エリオットはアルパインとアルプス電気、両社の大株主となった。保有目的は「投資。状況に応じ、発行会社や関係会社と議論し、重要提案を行う」としていた。

 エリオットはオアシスと共同歩調をとるのか。それとも、会社側とオアシスの間に入り、キャスティングボードを握るつもりなのか――と、思惑が交錯した。「(エリオットは)経営統合に賛成する見返りに、統合してできる新会社による自社株買いを求めるのではないか」(M&Aに詳しいアナリスト)という観測も流れた。

 オアシスとエリオットが共同歩調をとれば、3分の1以上の賛成を得て、統合案が否決される可能性が出てくる。アルプス側は、オアシスとエリオットが手を結ぶことを阻止しなければならない。

 投資ファンドが追求するのは、株主還元の最大化である。そこで、アルパインは統合を条件とし、100円の特別配当を実施すると18年9月下旬に発表。アルプス電気も11月下旬、統合後に400億円の自社株買いをすると発表した。エリオットは両社の株主還元策を「歓迎する」とコメントを出した。これで事実上、統合可決への流れが出来上がった。

 つまり、エリオットの賛成を取り付けたことが直接の勝因といえる。

 親会社による子会社の買収なのに、なぜこれほどまでにゴタゴタが続いたのか。M&Aは、発表後すぐに行うのが鉄則とされているが、発表から1年以上かけたのが間違いの元だった。時間がたてば、業績や株価が変動するリスクが高まるからだ。最初のボタンの掛け違いが、混迷の度合いを深めたといえる。
(文=編集部)

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