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「Getty Images」より
昨年10月、がんに関する大ニュースが世界中を駆け巡った。京都大学の本庶佑特別教授が、米テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン教授と共にノーベル医学生理学賞を受賞したというニュースだ。免疫をがんの治療に生かす手がかりが発見されたことで新しいタイプの治療薬の開発につながり、がん治療に革命をもたらすことが期待される、という論調が多かった。
がん治療は従来、手術、放射線、抗がん剤が中心だったが、免疫でがんを治すという第4の道を開いた、とも報じられた。
2人に1人が発症し、3人に1人が亡くなるといわれているがん。長年、日本をはじめ世界中の国々で死因第1位に居座り続けるこの厄介な病に、希望の光が射すことは素晴らしいかぎりだ。
受賞理由となった研究の成果を活用したがん治療薬「オプジーボ」。報道の直後から、使用に関する問い合わせが病院や患者団体に相次いで寄せられたという。
しかし、2018年時点では使用に関して諸々の条件があり、一部の患者のみを対象としている。また、効果が現れるのは患者の2~3割とされており、重症筋無力症、大腸炎、間質性肺炎、1型糖尿病などの副作用を起こすリスクがあることを一部の専門家たちが指摘している。
振り返れば、抗がん剤、放射線治療をはじめとしたあらゆるがん治療は、効果のほどはもちろんのこと、いかに副作用を減ずることができるかという研究者たちの苦闘の歴史でもあった。オプジーボをもってしても、この問題をクリアすることはできていない。
とはいえ、オプジーボが世に問う、がん治療第4の道の意義は大きい。手術、抗がん剤、放射線という長年不動だった三大治療に、免疫療法という新たな可能性が加わろうとしているのだ。
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