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庶民の味方・QBハウス、値上げの“ややこしい事情”…客数激減の「鳥貴族」化の懸念?

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 一方でQBハウスのような業態は、自宅や職場の最寄り駅など、生活圏の近くに店舗があるから利用するという人がほとんど。同じエリアに1000円カットの店舗が何軒も密集しているとは考えづらいため、値段が100円や200円上がっても『まぁ、いいか』と渋々納得し、また次も通うという人が多くなりそうです。

 とはいえ、長い目で見れば、値上げがQBハウスの運営にとってマイナスであることは間違いないでしょう。QBハウスは昨年6月の時点で国内に552店舗ありますが、1996年の創業から約22年がすぎても、思ったような多店舗展開には成功できていないというのが私の印象です。

 なぜならQBハウスは、いくら1000円カットの走りだといっても、ほかの店舗に真似ができないサービスではありません。数店舗しかない小規模な床屋でも1000円カットを実施しているところはありますし、QBハウスには出店エリアを見極める必要が出てきます。それに一部の自治体では、地域に昔からある床屋を守るため、QBハウスのように洗髪台を置かない店舗は認めないという条例を設けているほどですからね」(同)

 多少の値上げがあっても従来のQBハウスの客はついてくるが、新たな店舗展開を進めるうえでは障害になりかねないということか。

「もちろん、最初に1000円カットを始めたという点でQBハウスにはアドバンテージがありますし、ライバル店よりも有利な場所に出店しやすいのは事実です。ただ、これから破竹の勢いで成長していけるかというと、それは難しいのではないでしょうか。だからこそQBハウスは近年、国内ではなく、海外展開を主軸にしているのだと思います。

 ライバル店も、1000円という料金設定のままQBハウスへの対抗を続けるのは、まず無理でしょう。人件費の高騰は日本中で起こっていますので、タイミングのズレはあるにせよ、QBハウス以外の店舗も徐々に値上げすることになるはずです。

 これがメーカーのようにモノをたくさん作り出す業態でしたら“ボリュームメリット”といって、売り上げが大きくなればなるほどコストを下げることができます。ところが理美容店ですと、一人の従業員が10分で髪を切れる量は変わりません。何か工夫をしても、10分で2倍の客をさばくことはできないのです。店舗を回すために人件費を上げると、その分だけ店舗にとっての損失になりますから、これを無視して1000円カットを維持しようとするのは、原則的に不可能だといえます」(同)

 加谷氏は「今回の価格改定によってQBハウスの業績が急降下することもなければ、劇的に改善されることもない」と語る。いずれにしてもQBハウスの値上げは、1000円カットというシステムの限界を、業界全体に突きつけているようだ。
(文=A4studio)

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