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小笠原泰「日本は大丈夫か」

日産、実質“国有化”シナリオ…自主独立は幻想、ルノーと日仏政府から逃れられない

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日産、西川社長が会見 仏ルノーの新体制発表を受け実施(写真:つのだよしお/アフロ)

 仏ルノーは24日、金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)と会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕・起訴されていたカルロス・ゴーン会長兼CEO(最高経営責任者)の辞任を発表し、後任の会長に仏ミシュランCEOのジャンドミニク・スナール氏、CEOには現CEO代行のティエリー・ボロレ氏が就任すると発表した。

 今回で最後の論考となるが、最終的にルノーと日産自動車という私企業の問題に、日本政府(経産省)が“神の手”をさし伸ばす可能性と必然性が出てくるのかを検討してみる。

落としどころはどこか

 ここで、今回のゴーン氏逮捕の落としどころを考えてみたい。

 前述したように、アライアンス解消の可能性はほとんどない。そして、もし日産がルノー株を10%買い増しすれば、アライアンス解消と解釈されるので、株主に拒否されるだろうから実現性は低い。企業としての自主独立を勝ち取ったとみえても、企業は衰退するという選択であろう。
 
 また、現状の非対称な持ち合い株構成を維持しようが、対等な持ち合い株構成としようが、「アライアンスの維持」という精神論だけでそれが長期的に安定するとは、市場では考えられないだろう。日産の論理は「成長した子どもは親と対等であり、自主独立するのが当然」というものであるのに対し、ルノーの論理は「対等にはならない」という考えだからだ。この両社の違いは、アライアンスの長期的安定には負の方向に作用する。

 加えて、ルノーが仮に日産株の20%を放出すれば、ルノーには1兆円近くのキャッシュが入るが、これを誰が取得するかが注目される。投資ファンドなどが購入すれば、明らかに日産の経営は不安定になる。これを避けるためには日産が購入するしかないが、1兆円近くをどう調達するのだろうか。果たして、株主はこの株式購入の投資対効果を高いと評価するだろうか。残る選択肢は、日本政府の指示によるメガバンクか政府系金融機関による購入だが、これは政府の介入にほかならない。

 また、どう理屈をつけて否定しようが、1999年のルノーの救済による日産の復活とその後のアライアンスの成功という20年の歴史は、圧倒的に不均衡な資本構成と強力なゴーン氏によって成し遂げられた。その認識がルノーの基底に揺るぎないものとして存在する。当時ルノーから資本注入を受けた8000億円はすでに十分に返したという西川社長の発言は、金銭がすべてではなく恩義を尊べと教える日本社会の美学に反していないだろうか。

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