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藤野光太郎「平成検証」改正水道法の急所(1)

安倍政権、強硬に水道の事実上完全民営化を進める背景…“外資支配”に貢献する麻生太郎副総理

文=藤野光太郎/ジャーナリスト
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麻生太郎の「日本の水道は民営化します!」発言

 18年暮れに成立した改正水道法は、サービスの劣化を招く民営化につながるとの強い批判を浴びた。しかし、安倍内閣は「改正水道法は民営化などではなくコンセッション方式である」「民間企業のノウハウを活用してコストダウンすれば水道料金が抑えられるし、老朽化した水道管の改修費も出てくる」として世論の批判を一蹴し、法案を強行採決した。

 コンセッション方式とは、自治体などの公的主体が公共施設を所有したまま、料金収受業務を含む包括的な「運営権」を企業に売却する仕組みだ。東日本大震災が勃発した11年、「改正PFI法」(PFI=プライベート・ファイナンス・イニシアティブ/民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)が成立し、コンセッション方式による契約が実施可能となった。

 政府は水道民営化を否定する。だが、この改正PFI法(以降、本稿では便宜上「旧PFI法」と呼称する)を法的根拠とする水道事業のコンセッション契約は、運営だけでなく施設も売却する「完全民営化」にもっとも近く、それは「事実上の民営化」である。

 なぜなら、施設所有権が自治体に残されても、運営権を長期的・包括的に握る民間企業が日常的にもろもろを決定すれば、それは実態としての「経営」そのものだからだ。検針や浄水場管理など個別業務の委託は従来から行われてきたが、コンセッション方式はまったく次元の異なるものなのである。

 改正水道法への反対世論には、再公営化する海外の経過を見て「日本の水も民営化で外資に支配されるのではないか」との不安が含まれていた。その不安を煽った張本人が、安倍内閣で金融担当の内閣府特命担当大臣や財務大臣など要職を担う麻生太郎副総理である。

 すでに広く知られた麻生氏の発言「日本の水道は民営化します!」は、改正水道法の狙いを検証する上で欠かせないトピックでもある。講演の前段も加えて、ここで正確に再録しておこう。

 13年4月19日(米国東部時間)、米国本拠の民間シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」の会見に登壇した麻生氏は、満面の笑顔で開口一番「麻生太郎です。私も戻ってきました!」とあいさつし、米国産業が関心を抱きそうな日本のさまざまな市場について“報告”した。講演後、質疑応答の後半で麻生氏が得意げに宣言したのが水道民営化である。以下は、そのときの発言を文字に起こしたものだ(用語の重複や接続詞は筆者が一部加工。それ以外の名詞や数字などは原文ママ)。

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