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特に健康被害の恐れがある日用品リスト15…洗剤、シャンプー、歯磨き粉

文=郡司和夫/食品ジャーナリスト
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特に健康被害の恐れがある日用品リスト15…洗剤、シャンプー、歯磨き粉の画像1「Gettyimages」より

「五感を研ぎすませる」という言葉どおり、人類は目、耳、舌、鼻、皮膚を通して生じる5つの感覚を鋭敏にすることにより、さまざまな困難に打ち克ってきました。しかし、私たちの身の回りにはこれら大切な五感を狂わす日用品が氾濫しています。今回はそれら日用品のなかで、「とくに使ってはいけない15商品」を挙げてみました。

・消臭スプレー(A社)

 同業他社のHPでは「除菌成分には、第四級アンモニウム塩が配合されている」と断じています。第四級アンモニウム塩は、塩化ベンザルコニウムが含まれる陽イオン界面活性剤です。細菌の細胞膜を破壊して殺菌しますが、人体内に侵入すれば健康被害が出る恐れがあります。

・柔軟剤(B社)

 どんな合成香料を使用しているかは企業秘密。経皮毒のある合成界面活性剤も使用されている柔軟剤で、周囲の人にも被害を与える危惧のある商品。

歯磨き粉(C社)

 配合されているフッ素の人体影響については、「急性:吸入……脳を刺激し肺水腫を起こす。深刻な火傷(化学性・熱性)。高濃度の場合、呼吸器障害で死亡、5~10ppmに長時間で目、鼻、口腔内の粘膜が刺激される。皮膚は100%フッ素に直接触れると、0.6秒以内に熱性火傷を負う」と、『危険・有害化学物質プロフィル100』(及川紀久雄著/丸善刊)に記載されています。

浴室用洗剤(D社)

 汚れに直接スプレーして洗い流すタイプ。使用されているポリオキシエチレンアルキルエーテル(POER)は非イオン系合成界面活性剤で、「タンパク質変性作用を持つ。発がん性物質のジオキサンが混入する可能性あり」と『経皮毒データブック487』(稲津教久著/日東書院本社刊)に指摘されています。また、ジプロピレングリコール系溶剤(DPG)は湿潤剤・保湿剤で、消化管吸収により心・腎・肺に機能障害を起こす可能性や溶血作用があり、染色体や赤血球が減少するという報告があります。防カビ剤は細菌やカビを殺したり、増殖を抑える目的で開発されたもので、人体に有益な菌にも大きな影響を与えます。それが人の健康や環境にどんな悪影響を及ぼすのか心配されます。

・コンタクトレンズ保存液(E社)

 コンタクトレンズの保存液は目に触れるものですから、配合されている成分には十分な注意が必要です。この商品ではエデト酸塩が金属イオン封鎖剤として使用されているのが気になります。「皮膚、粘膜、目を刺激する」(『改訂版食品・化粧品危険度チェックブック』体験を伝える会 添加物110番/編より)との指摘があります。どうしても同製品を使う場合は、レンズのこすり洗いとすすぎを忘れないようにしてください

食器用洗剤(F社)

 テレビCMを見て、あんなに簡単に油汚れがきれいになるのなら、ということで毎日の食器洗いに使う洗剤を選んでいないでしょうか。洗浄能力が高いのは合成界面活性剤を使用しているからです。手肌のタンパク質を破壊して手荒れを招くうえ、皮膚から体内に吸収、妊娠中の方なら、胎児に異常をきたす恐れもあります。肌荒れや手荒れが心配な人や子どもが使用の際にはゴム手袋を着用するよう注意書きがある場合は、使用はやめるべきです。

シャンプー(G社)

 重要なことは、子ども用シャンプーやベビーシャンプーを過信しないことです。天然由来成分の「緑茶エキス」「ヒアルロン酸」の配合、「目にしみにくい弱酸性タイプ」などを強調したベビー用シャンプーがありますが、国際的に発がん性が確認されている合成界面活性剤の「コカミドDEA(ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド)」が使用されているのもあります。また、殺菌剤・防腐剤として「フェノキシエタノール」が添加されている製品が多いですが、この物質は、皮膚や粘膜を刺激、皮膚から体内に吸収されると麻酔に似た作用を起こします。子ども用シャンプーはさまざまな製品が出回っていますが、子どもに安全なシャンプーは、無添加のせっけんシャンプーです。

・日焼け止めクリーム(H社)

「ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル」は、皮膚に刺激を与え、アレルギーの原因になります。酸化チタンはナノサイズ化(毛髪の直径の10万分の1。DNAの直径の2分の1ほどの長さ)されていますが、非常に危険な物質です。2009年に東京理科大学薬学部ナノ粒子健康科学研究センターの研究グループは、「マウスの実験で酸化チタンのナノ粒子が次世代の脳神経や生殖系にも悪影響を与える」との論文を発表しています。化学物質は皮膚や粘膜からも体内に吸収されますので注意が必要です。

・トイレ用洗剤(I社)

 塩酸が洗浄成分の酸性のトイレ用洗剤です。注意しなくてはいけないのは「混ぜるな危険」の表示を厳守することです。酸性の洗剤と次亜塩素酸塩などが主成分の塩素系(漂白剤系)の洗剤が混じると有毒な塩素ガスが発生し、場合によっては命にかかわることにもなりかねません。

・浴室用洗剤(J社)

 合成界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルは、タンパク質変性作用を持ち、発がん性物質のジオキサンが混入する可能性があります。また、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムは、胎児に先天性異常をきたす催奇形性がある化学物質です。また、塩化ベンザルコニウムは、人体への刺激が強いとされている陽イオン系合成界面活性剤で、アレルギー性結膜炎を起こす恐れがあります。

・キッチン用洗剤(K社)

 汚れに直にかけるか、布やスポンジにつけてこする液体の食器用洗剤、調理器具などキッチン用洗剤です。固い布を使ってこすって食器に傷をつけると洗剤がそこに残留し、体内に口から入る可能性があります。また、指定されたとおりに使用しても皮膚から吸収されやすい化学物質が使われていますので、使用は避けるべき製品です。

洗濯用洗剤(L社)

 洗浄力がもっとも強力な陰イオン系合成界面活性剤の直鎖アルギルベンゼンスルホン酸塩(LAS)が主成分です。「毒性が強く、皮膚障害の危険性があります」と文献で指摘されています。LASは合成界面活性剤のなかでも分解性が悪く、長期間界面活性作用を失わないので、河川に流れ込めば水生生物にも大きな影響を与えます。

・制汗剤(M社)

 有効成分のクロルヒドロキシAlは、塩化アルミニウムの水和剤です。アルミニウムで汗や体臭が漏れる毛穴をふさぐのです。体温の調節や体内の毒素を出すのに汗は重要な役割があります。それをふさいでしまうのですから、どうみても健康に良いとはいえません。
しかも塩化アルミニウム自体の毒性も心配です。眼、皮膚、気道に対して腐食性を示し、さらに経口摂取すると腐食性を示すといわれています。

ハンドクリーム(N社)

 毒性の指摘がある成分が複数使われています。皮膚を柔軟にする効果があるとされているセタノールは、旧表示指定成分(1980年に当時の厚生省が注意しなければならない化粧品成分として表示を義務付けた102成分)です。1,3―ブチレングリコールは湿潤剤ですが、「消化管吸収により心・腎・肺に機能障害を起こす可能性あり。溶血作用あり。染色体の異常や赤血球の減少の報告」(『経皮毒データブック487(日用品編)』稲津教久/著)と毒性が指摘されています。パラベン(パラオキシ安息香酸エステル類)も旧指定成分で、人体に皮膚障害を起こした経緯があります。エデト酸Naは、眼への影響も指摘されています。

・ウェットティッシュ系製品(O社)

 水の次に成分量が多いのはBG(ブチレングリコール)で湿り気を保つために配合されています。BGの毒性に関しては「消化管吸収により心・腎・肺に機能障害を起こす可能性あり。溶血作用あり。染色体異常や赤血球の減少の報告」との指摘があります。次に成分量の多いフェノキシエタノールは、皮膚や粘膜を刺激し体内に吸収される麻酔作用がある抗菌剤です。安息香酸Naは犬に1g/kgを超えて与えると、運動失調、てんかんのようなけいれんを起こして死亡したという報告があります。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

郡司和夫/食品ジャーナリスト

郡司和夫/食品ジャーナリスト

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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