沖有人「不動産の“常識”を疑え」
東京の新築マンション、高くても買うべき「値上がり確実」なエリア一覧…五輪宿舎跡地はNG?
文=沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント
ひとつ目は現時点で入居までに約4年あることだ。マンション価格が天井を打った感が出ている現在、将来価格が値上がる可能性は低い。4年後は相場がどうなっているか、誰にもわからない。それでも今年の5月から販売が開始される。
2つ目はアクセスが悪いことだ。駅から徒歩20分程度かかる立地で、BRT(バス高速輸送システム)というバスを走らせるというが、本数や利便性は高いとはいえない。都市では鉄道でないと交通事情は劣ることは否めない。
3つ目は面積が広いものしかないことだ。3LDKと4LDKの間取りしかないが、面積が大きくなる分、価格帯は高くなる。都心3区のひとつの中央区につくるには、この企画は時代に逆行している。価格帯が高くなると買い手は少なくなり、ファミリー中心の街になり多様性に欠ける。
大規模再開発マンションにも成功の法則があるのだ。これに逆らうと成功確率は下がるので、気をつけてもらいたい。
(文=沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント)
【※1】
「住まいサーフィン」