これから伸びていく要素も

 なぜ8年間で1000人超もの退職者が出たのだろうか。

「社員の意向を汲むというよりは、ダイナミックに経営者としてグイグイ引っ張ってきた。ある意味、強引にやってきたから、これだけできたといえますが、それについていけない従業員もいたのではないでしょうか。それに、客と同じで、あそこで働くということは周りに何もないということですから、家に帰れる地元の人はいいけど、寮住まいで働くというような場合、仕事後の気晴らしはどうするのかと考えたら、博多や長崎で働くより厳しいものがありますよね」

 ハウステンボスの今度の展望はどうなのだろうか。

「アウトレットをつくるという計画が発表されて、それもアジア最強のものをつくるというので楽しみにしているのですが、その後、進展が見えてきません。アウトレットができれば、もっと集客はできるのではないでしょうか。インバウンドをどれだけ取り込めるかという点でも、そこは重要ですね。

 ハウステンボスの客のうち、外国人比率は7%くらいです。国連世界観光機関(UNWTO)の2017年の統計だと、約2870万人が日本を訪れているんです。そうした世の中の流れからすると、外国人をほとんど取り込めてないんですよ。理由は何かといえば、外国人からすれば長崎でオランダを体験する必要はないわけです。それよりは長崎で教会とか港町を見たほうが、よっぽど日本に来たという実感が湧くでしょう。

 ただ、アジア最強のアウトレットができれば、流れも変わってきます。澤田社長はカジノの構想も打ち出しています。大村湾に海上・海中カジノをつくるというもので、これができれば世界初となります。ロボットが働く『変なホテル』が話題になっていますけど、カジノもロボットがディーラーのサポート役を務めるということを考えているようです。ギャンブル依存症への対策は必要ですけど、カジノができればインバウンドはかなり取り込めるでしょう。

 ハウステンボスは、中国の投資企業、復星集団から最大25%程度の出資を受け入れると発表していますが、そうなれば中国人観光客も増えるでしょう。ハウステンボスはホテルの部屋数も多いわけだし、積極的に中国人を入れていったほうがいいでしょうね。そうやって見ていくと、ハウステンボスはまだまだこれから伸びていく要素はありますね。今しばらくは、耐える時期なのかもしれません」

 パワハラをくり返す女性顧問が“女帝”と恐れられていると「週刊文春」では報じられているが、ハウステンボスに明るい未来は開けているのだろうか。
(文=深笛義也/ライター)

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