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話題の「電子水」、専門家は「科学的根拠なし」と指摘…アマゾンでは1本1万円超で販売

文=深笛義也/ライター
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科学的な根拠はない?

 そもそも、電子水とは何か。試みにネットで検索してみるが、メーカーの解説ページにしか行き着かない。そこで、『おいしい水安全な水』(日本実業出版社)、『水がささえるいのちと地球』(フレーベル館)、『水の常識ウソホント77』(平凡社)などの著書がある、法政大学の左巻健男教授に話を聞いた。

「電子をたくさん持っている水というのは、普通では存在しないんです。存在するとしたら、超純水、100%水からしかできていないというものがあると、静電気を帯びるので、電子を帯びている分だけは持っているかもしれない。しかし、普通の水は陽イオンとか陰イオンというものが溶けていたりして、静電気は帯びにくく、逆に静電気が逃げやすくなります。『電子水』という概念は、科学的にはないんです」(左巻教授)

 電子水の生成器を扱っているメーカーのサイトを見て、左巻教授は言う。

「『クラスターという水の分子集団が小さくなる』と書いてあって、大きな塊より小さな塊になったほうが体内に浸透しやすいというイメージになりますが、それはもう科学的に根拠がないですから。『クラスターが小さくなる』という説明があったら、まず怪しいものと思ったほうがいいですね。これを見ると備長炭を使っているので、水道水から消毒の塩素を吸着しており、浄水器的な役割はあるでしょう」(同)

 エレクトロンのサイトを見ると、「ベ-スの電子水は水でありながら、pH値の高いアルカリ性」と書かれている。

「それは、乳酸カルシウムとかアルカリ性の物質を加えて、アルカリ性にしているだけでしょう」(同)

 解説文の末尾には、エレクトロンアドバイザーとして、「生体物理医学者」「日本マイナスイオン応用学会会長」という肩書で、山野井昇氏の名前がある。

「山野井さんは、日本でマイナスイオンを広めた2人のうちの1人です。もうすでにマイナスイオンは科学的に否定されています。結局、マイナスイオンと同様のこと言っているんですよ。我々の周りに満ちあふれているものが、電磁波とか化学物質とかでプラスイオンばっかりになってしまっている。だからマイナスイオンが必要なんだという理屈を言っていたわけです。マイナスイオンというのは電子が豊富なものだから、同じ理屈で電子水がいいというところに行き着いたのでしょう。

 山野井さんは東京大学で、実験の準備とかをする技官を長く務めていた方ですが、教官ではありません。もちろんりっぱな仕事をされてきたのだと思いますが、研究者といえるような経歴ではありません」(同)

 確かにサイトにある山野井氏の経歴を見ると、「東京大学大学院医学部研究室にて40数年にわたり医療、健康、福祉、美容などの最先端分野に従事」とあり、研究とは一言も書いていない。

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11:30更新
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