レオパレス大量施工不良、業界で有名だった“脱法体質”と営業手法…他社で同様事例か

サブリース契約」に要注意

――レオパレス21には建築士や建築施工管理技士はいますが、チェック機能は働かなかったのですか。

榊 彼らは、上にモノを申せる立場にいません。それよりもコストや利益を重視する構造があるのかもしれません。

――建築基準法違反の建物を建てるというのは、ほかのアパートブランドでもあり得るのでしょうか。

榊 サブリース契約を行っていて、ビジネスモデルが似通っている会社で思い当たるところはあります。もし、その会社がコスト・利益を徹底して優先している姿勢を貫いているのであれば、レオパレス21と同じ構造を抱えているので、可能性はあります。しかし、旭化成系や大和ハウス工業のような大手メーカーはコンプライアンスがしっかりしているので、可能性はほとんどありません。

――なぜ、レオパレス21でこのような事態が起きたのでしょうか。

榊 レオパレス21はアパート建築を地主に提案し、その地主がオーナーとなった物件を一括借上げして30年間家賃収入を保証する「サブリース契約」を武器に成長してきました。その営業スタイルは、まずはアパートが建設できる土地と地主を探し、猛烈なアプローチを仕掛けるというもので、首都圏などの土地情報に強く、地元の不動産業者との間で強い関係を築いてアンテナを張っています。営業担当者が不動産業者から「あそこの土地はアパートが建設できるよ。地主はAさん」などという話を仕入れています。

 ビジネスモデルとしては、オーナーから建築費をもらい、次に建築してアパートの管理を一括して行います。初年度はさすがに借り手を確保しますが、それが3年や4年もたつと、借り手も引っ越し、だんだんと去っていきます。そのタイミングでオーナーに家賃減額を求めていきます。もともとレオパレス21でアパートを建設すると、地元の工務店に発注するよりも安くすむといわれています。特にリーマンショックの頃に建てられた物件は、レオパレス21は倒産寸前まで追い込まれていた時のものなので注意が必要です。

――地元の工務店に直接依頼すれば、違法な建物が建てられにくいのでしょうか。

榊 それはそうです。地元の工務店は地域に根差していますから、違法建築物を建てれば地元で評判が悪くなり、依頼が来なくなります。レオパレス21に頼むと建築費が安いということもあり、オーナーがサブリース契約を結んだケースもありました。ただし、レオパレス21側からその後に何度も契約改定をさせられたりするので、オーナー側の不満が多いのは事実です。

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