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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

確定申告“特典”があふれた「青色申告」を選択しない理由はない…何ひとつデメリットなし

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
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個人事業者青色申告にすべき

 また、青色申告について知っていても、“特典”に魅力を感じていないがために白色を選んでいる可能性もあります。青色申告の特典は、65万円の控除、家族を従業員にできること、償却資産を一括で損金にできる上限が増えるなど、デメリットのないものばかりです。それを知っていても、なお白色を選ぶ方がいるのです。

 白色申告の良くないところは、意図的ではないにしても帳簿をつくっていないがために過少申告となっている場合があることです。多くのタレントが白色申告ですが、当然、帳簿をつくっていませんし、領収証も保存していません。いいかげんな申告をするか、申告をしないかの2択となっていて、多くが過少申告となります。タレント界は“ダメ人間”が非常に多いので少し特殊な例かもしれませんが、ほかの業種でもそのような方が一部にいることでしょう。

 現在、青色申告者の割合は全体の50%ほどで、40年間その割合に大きな変化は見られません。意図的に帳簿をつくらずにいる個人事業者が相当数いることになります。帳簿をつくらないというのは、広く考えれば「所得を隠し、仮装を行っている」といえます。

 第三者から見れば、帳簿のない人の所得の把握は困難ですし、隠したり嘘をついたりしてもバレない可能性が高くなります。一方、仮に青色申告の人が同じことをすれば、帳簿も証拠書類もあるので簡単にバレてしまいます。これは不公平です。

 正しく申告している正直者が不利になってしまう制度は、問題があります。隠したり嘘をついたりする時点で“正しく”ありませんが、うっかり過少に申告してしまうことは誰にでも起こり得るので、より公平であることが望ましいといえます。

 青色申告には魅力がたくさんあります。今年、確定申告を行う個人事業者の方は、同時に青色申告の申請をして、来年から青色申告にできるようにしましょう。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
 大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

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