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カール教授の超入門ビジネス講座

なぜグーグル検索結果の順位次第で、あなたの企業の収益が左右されてしまうのか?

文=平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長
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 さらには、航空網、電力網、あるいは学術論文の引用など、世の中の多くのネットワークの構造は、スケールフリーネットワークであることがわかっています。航空網でいえば、多数の国に路線がつながっているようなハブ空港が少数存在する一方、大多数の空港は少数の路線しかないことなどが例となります。

 このスケールフリーネットワークの特徴は、偶発的な障害に対しては非常に強いことです。高速道路網のようなランダムネットワークでは災害などによってノードがいくつか破壊されると、陸地であっても孤島のように寸断されてしまいます。しかしスケールフリーネットワークでは、いくつかの経路が残り続けるのです。インターネットの原型といわれる「アーパネット」というシステムが、もともとは軍用に開発されたもので外部からの攻撃に強い分散ネットワークである、ということからも、その性質の本質がわかることでしょう。

「優先的選択」

 それでは、なぜこのようなスケールフリーネットワークが生まれるのでしょうか。

 ノートルダム大学教授のアルバート=ラズロ・バラバシと彼の教え子のレカ・アルバートは、スケールフリー性が実現されるネットワークであるバラバシ・アルバート(BA)モデルを提案しました。

 いま、10人から構成される人脈ネットワークがあるとします。このネットワークに新しい人(ノード)を加えると、そのネットワークは成長しますが、もしどの人と結びつけるかを等しい確率、すなわち10分の1の確率で決めていったとすると、スケールフリーにはなりません。

 BAモデルでは先の例でいえば、10人のうち、すでにより多くの人物とつながりをもっている人、つまり「次数の高いノード」に、新しいノードが優先的につながるという仮定を考えたわけです。

 これを「優先的選択」といいます。そこで次数が高くなった人は、その後、新たに加入する人からさらに新しいリンクを獲得しやすくなります。

 たとえばフェイスブック、ツイッターインスタグラムなどですでに多くの人とつながっている人や、フォロワーが多い人は、そこからさらに新しいつながりを得てフォロワーが増えていく可能性が高い、ということが感覚的に理解できるのではないでしょうか。このため海外のバングラデシュなどの国の人々に少額のお金を払って、SNSへのいいね!を大量に獲得するような企業も実際存在するわけです。

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