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伊達軍曹「『今月の販売台数No.1』に見るニッポンの今」

日産「ノート」が誇大広告すれすれ&内装が昔のゴミ袋みたいでも今、日本で一番売れている理由

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 総合的な運転フィールは、トヨタ自動車製大衆車のように無味無臭というか、ハッキリ言って凡庸だが、前述のとおり電気モーターならではの特性は好ましい。発進の瞬間から大きなトルクが実感できる加速力は、なかなかのものだ。

 そして同じく電気モーター車ならではの特性を利用したワンペダルドライビング(アクセルペダルの踏み加減ひとつで、発進から停止までのすべての加減速Gを発生させることができる様)も、スムーズな運転の実現に寄与している。

貧乏くさい内外装

 だが、この内外装の貧乏くささは、正直いかんともしがたい。

「貧乏」であるならば、別にいいのだ。すなわち、平均的な収入の範囲内で生きる大衆のための便利で安価な足であることを最重要視するならば、どうしたって内外装の部材は安手のモノにならざるを得ない。それは別に構わないというか、致し方ない“物づくりの摂理”である。

 しかし、日産ノートは安手感丸出しにもかかわらず、なぜか部分部分で謎の虚勢を張っている。たとえばそれは、安普請なプラスチック部品があふれるインテリアの中心部分に突如現れる、テカテカとした艶感を伴ったセンターコンソールだ。

 日産いわく「高級感あるピアノブラック調」とのことだが、その質感は筆者からすると「半透明の自治体指定ごみ袋が一般的になる前に使われていた真っ黒なゴミ袋」にしか見えない。

「とりあえずテカテカ、キラキラさせときゃいんでしょ? そうすりゃあんたたちは喜ぶんでしょ?」という、古くさい商品企画には閉口するほかないわけだが、問題はそれが「実際に喜ばれている」という事実だ。冒頭の繰り返しになるが、この“昔のゴミ袋のような内装を持つ”クルマこそが、今、日本でいちばん売れている登録車なのだ。

 多くの人が、この内装に疑問を抱かないまま、ロードサイドの大型画一的ショッピングモールまで家族で買い物に行き、タッチパネル式の回転寿司店でメシを食い、家に帰る。そして、さしたる不満もないまま床につく。

 そういった日常が今、為政者が言う「美しい国、日本」に住む多数派市民の心象風景を形づくっていることは、心に留めておくべきだ。こういったビジネス系サイトを見ながらSNSで高級げなことをつぶやいている人種だけがニッポン人ではないことを、あらためて意識にとめておかねば、ビジネスパーソンとしてのあなたは今後、いろいろと間違うだろう。
(文=伊達軍曹/自動車ジャーナリスト)

伊達軍曹
1967年東京都生まれ。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。『IMPORTカーセンサー』(リクルート)編集デスクなどを歴任後、フリーランスの自動車ジャーナリストに。自動車雑誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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