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北海道地震、ひずみが伝播し札幌でも今後強い揺れに注意…南海トラフも地下で動きが

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――過去に大地震が起きた地域は、その後も注意が必要ということですね。

遠田 地震が起きると断層が大きく動き、蓄積されていた断層の歪みは解消されます。ところが、そのしわ寄せが周りの断層に影響を与えてしまいます。崩れたバランスが完全に元に戻るまでに何十年もかかります。特に最初の数年は注意すべきです。

 約30年前までの地震学では、「一度大きな地震が発生すると断層のゆがみが解消され、その後しばらくは地震が発生しにくくなる」というのが常識でした。しかし、最近の知見では「一度ある地域で地震が発生すると、その近傍で地震が起きやすくなる」ということがわかっています。もちろん、場所によっても変わってきますが、このことは認識しておいたほうがいいでしょう。

 今年1月にも、2016年に大地震が起きた熊本で最大震度6弱の地震が観測されています。これも、最近の知見に基づけば約3年前の余震のひとつと見るべきです。

南海トラフ巨大地震の発生は“黄信号”?


――個人や行政はどのような備えをすべきでしょうか。

遠田 個人でできることは、まずは家具の固定や非常持ち出しバッグの準備、避難経路の確認などでしょう。行政は、長いスパンで地震に強い街づくりを行うことが必要です。気をつけるべきは、一度大きな地震が起きればそのうち静かになるというわけではなく、断層のひずみは周辺に伝播し、地震が発生しやすい状況はしばらく続くということです。

 たとえば、今回は厚真町でしたが、今度は札幌市など別の地域を大地震が襲う可能性もゼロではありません。そのため、周辺地域はこれまで以上に注意が必要です。個人も行政も、地震への対策や備えを念頭に置くことが重要です。

――発生すれば甚大な被害が予測される南海トラフ巨大地震については、いかがでしょうか。最近、東海地方では岩盤の境目がゆっくりとずれて動く「スロースリップ」による地震が観測されているようです。

遠田 相模トラフから南海トラフにかけて、深部低周波地震や深部低周波微動が観測されています。揺れとして体感できない地面の動きですが、地震計やひずみ計で観測されています。それに伴い、プレートの境界でゆっくりと滑る動き、スロースリップと呼ばれる現象が発生しています。

 この動きは、関東の房総沖から九州の日向灘にかけて数年ごとに観測されているほか、沖縄の南西諸島でも起きています。一度起きると、場所によっても異なりますが、数日~数カ月続きます(東海地方では数年続く場合も)。今年になって、四国と九州に挟まれた豊後水道でもスロースリップが起こっています。房総沖をはじめ、スロースリップが継続している地域とその期間は、一時的に巨大地震が起きやすい状況といえるかもしれません。要注意です。

 世界的に見ても、スロースリップが続いている間に巨大地震が発生した例があります。将来、気象庁が巨大地震の発生確率について「グリーン」「イエロー」「オレンジ」「レッド」と順次、危険度を分けることがあれば、豊後水道あたりは現在「イエロー」の段階といえるかもしれません。
(構成=長井雄一朗/ライター)

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