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ヒット確実だったフジ『QUEEN』大コケ問題、バカリズムの“間違った使い方”が元凶

文=藤原三星
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バカリズムを使いこなせていない制作陣

 では、バカリズムの主戦場であるバラエティ業界の関係者は、このドラマをどのように見ているのか? 数多くのバラエティ番組を手掛けるある放送作家は「これでもバカリズムは善戦してる。ドラマの不振は制作側の問題では」とバカリズムを擁護してみせる。

「向田邦子賞を取って以降、バカリズムさんへの脚本依頼が殺到しているそうなんですが、彼にはレギュラー番組や単発番組の収録だけでなく、毎年やっているコントライブの台本執筆もあるため、芸人としての仕事が終わっても、遊びにも行かず仕事場へ直行。毎晩なんらかの執筆作業をしてるそうです。脚本家としての仕事はすでに2年先まで埋まっており、今のバカリズムさんに新規の脚本をお願いするのはそれこそ至難の業。それでも、“キャラクター監修”というオファーを受け、少しでもドラマを面白くしようとしてるわけですから、脚本全体のバランスを取るべきなのはむしろ、プロデューサーをはじめとした制作側だと思いますけどね。

 そんな観点からこのドラマを毎回欠かさず見ていますが、ドラマ全体に流れるシュールな味わいに、見ている側がイマイチ乗り切れない部分があるのは確か。登場人物たちのキャラが全体的にクールすぎるというか、それこそバカリズムさんがコントライブでよく描くような『何を考えてるのかよくわからない変人』テイストが強めなんですよね。これはもう、バカリズムさんによる“キャラクター監修”という名のアレンジに、制作サイドが悪い意味で変に影響され過ぎているとしか思えません。バカリズムさんが全編を通して脚本執筆した『架空OL日記』などのドラマとは異なり、ドラマとしてのリズム感が悪すぎる。そんな事情を知るはずもない一般視聴者が、意味もわからずキョトンとしているであろうことは当たり前といえば当たり前でしょう。フジテレビが“策に溺れた”としか思えませんね」

「馬鹿と鋏(はさみ)は使いよう」ということわざがあるが、『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』の視聴率不振は、まさに「バカとリズムは使いよう」ということなのかもしれない。
(文=藤原三星)

●藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara

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