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木村隆志「現代放送のミカタ」

乃木坂46『ザンビ』は「かわいいだけのアイドルドラマ」なのか?“第二の川栄李奈”に注目

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
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 しかし、『ザンビ』を「かわいいだけのアイドルドラマ」と見なすのは短絡的ではないか。すべてのドラマが演技派ぞろいである必要はなく、むしろ押し付けがましさや窮屈さを感じる人もいる。実際、かつては「若手女優が力をつけていく様子を見守る」という楽しみ方が日本中の人々に浸透していた。

「ネットの発達で情報量が増えた」「好きなときに好きなものを見られるようになった」などの理由から、せっかちになった現代人は、常に完成品に近いものを求めがちになっている。無名女優の登竜門だった朝ドラのヒロインが永野芽郁、安藤サクラ、広瀬すず、戸田恵梨香など実績十分の女優ばかりになり、若手が技術を培う場の学園ドラマが激減しているのも、そんな視聴者の変化に対応したものだ。

 その意味で、『ザンビ』を見ると、若手女優の奮闘や成長を感じられる貴重な作品となっている。たとえば、与田祐希は1年前に『モブサイコ100』(テレビ東京系)でドラマデビューを果たしたが、その演技は誰の目にも厳しいものがあった。ところが今作では、わずか1年の間に成長した姿を見せているし、次の作品にもつながっていくだろう。

乃木坂46のメンバーは若手女優の卵

“ゾンビドラマ”という共通点で、もう一歩さかのぼれば、今をときめく川栄李奈は2014年のドラマ『セーラーゾンビ』(同)への出演が大きかった。当時の川栄は、同じAKB48の大和田南那に続く2番手のレベル。しかし、同作で抜きん出た存在感を見せ、『ごめんね青春!』(TBS系)、『早子先生、結婚するって本当ですか?』(フジテレビ系)、『とと姉ちゃん』(NHK)といったメジャー作品への出演を勝ち取っていった。

 そもそも、デビュー時から舞台公演などで演技重視だった乃木坂46のメンバーは、アイドルというより若手女優の卵に見える。また、卒業した深川麻衣や若月佑美らが女優として開花し始めていることも、『ザンビ』には「“次の川栄李奈、深川麻衣”を見いだす」という楽しみ方の裏付けとなるのではないか。特に乃木坂46のファンではない私も、若手女優が飛躍のきっかけをつかむ瞬間を楽しみに見ている。

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