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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

ついに生鮮食品を売っていないスーパー登場…日本“崩食”の危険な事態

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
ついに生鮮食品を売っていないスーパー登場…日本“崩食”の危険な事態の画像1「Getty Images」より

 筆者が住んでいるのは岐阜県南西部の大垣市ですが、同じ岐阜県中南部に位置する可児市というところに、新たなスーパーマーケットが2月中にオープンするそうです。可児市は、陶芸好きの方であれば美濃焼の里としてご存じかもしれません。1970年頃からは、大都市・名古屋のベッドタウンとして発展してきました。

 その可児市にオープンするスーパーマーケットは、これまでになかった斬新な品揃えになっています。生鮮食品が置いていないのです。何を売っているのかというと、加工食品と菓子類が中心です。

ついに生鮮食品を売っていないスーパー登場…日本“崩食”の危険な事態の画像2

 いつか、このような店があらわれるのではないかと恐れていましたが、とうとう現実となりました。1キロほど離れた場所に生鮮食品も扱っている同系列のスーパーマーケットがあるとはいえ、生鮮物をまったく扱わないスーパーマーケットが成立するというのは、筆者などからすると驚きです。しかし、日本人の食生活の変遷を見、これからのことを予想すると、この手の店がいつかはできるだろうと考えられはしました。

 日本人の食生活は、何度も大きな節目を迎え、それを乗り越えてきましたが、最大の節目といえば、筆者は迷いなく「1970年」と答えるでしょう。そして、この節目ばかりは乗り越えられてはおりません。

 この年は大阪で万国博覧会が開かれた年でもあります。そこで初めてファストフードなるものが日本に紹介され、販売されました。このことが後々、日本人の食生活の大きな節目になるとは、当時高校生だった筆者には見当もつきませんでした。

 大阪府吹田市の千里丘陵で万国博覧会が開催されたのは、同年3月15日から9月13日までの183日間ですが、その年の1月14日に第3次佐藤栄作内閣が発足し、首相はちゃっかり万博の名誉会長にも納まっております。

 それはさておき、万博開催から半月後の3月31日には、よど号ハイジャック事件が起こります。よど号というのはいわば愛称のようなもので、正式には日本航空351便。機体はボーイング727-89型機。よどという名称は、琵琶湖から大阪湾に流れ込む淀川からとられているそうです。この事件が大阪万博の開催と何か関係があったのかは不明ですが、国民がこぞって万博に目を奪われている最中に起こった事件ではあります。

 万博が終わりを告げる1カ月半ほど前の8月2日、東京では初の歩行者天国が登場しました。誰の命名かは知りませんが、センスの欠片も感じられないダサい名称です。略して「ホコテン」などといわれていましたが、筆者はただの一度も行ったことはありません。大っ嫌いでした。これは銀座、新宿、池袋、浅草の各所で行われました。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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