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47歳で逝った妻の受けた治療は“正しかった”か? 遺された夫が語る、がん治療の現在

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共に過ごした仙台の自宅にて、写真のなかでほほえむナオミさん。

東日本大震災で、人間ドックに行けなかった

――いま、ナオミさんへの治療に関して後悔の念はありますか?

菊地貴公 いえ、ありません。手術によってQOLが落ちていたら、後悔していたかもしれませんが。患者が亡くなったあとに、「もっとやれることがあったんじゃないか」と遺された人が考える……というケースも多いようですが、私に関しては思い浮かばないですね。もっといろいろな抗がん剤を試してみたかったとは思いますが、死期に関しては、そんなには変わらなかっただろうとも思いますし。

――発見された段階でステージ4だったそうですが、もっと早くに発見できれば……という思いはありますか?

菊地貴公 そうですね。長年苦しんだ便秘の原因が腫瘍にあるのかもしれないと思い当たれば、腹膜播種になる前に摘出できたかもしれないとは思います。2011年3月の東日本大震災までは毎年人間ドックに行っていたのですが、震災でバタバタしてしまい、結果として健康診断を2年ほどサボってしまった。ちゃんと検診を受けていたら、違っていたかもしれない。でも、そんなことを言っても時間は戻せませんから。だからナオミちゃんとは、そういうことは一切話しませんでしたね。

 死別後、友人たちに「健康診断にはちゃんと行っておいたほうがいいよ。ナオミちゃんが行けと言ってるよ」と言うんですが、みな、「そうだね」と生返事をしつつ、結局は面倒でなかなか行かないんですよね(笑)。それはやっぱり、当事者になってみないとわからないことなのかなあと。若いうちはなおさら、まさか自分が大病をするなんて思ってもみないでしょう。

 手術も難しい、抗がん剤も効果がない――そのような最期の頃、それでもナオミさんは、こう口にしたという。

「意味がないって言わないでほしい」
「わたしは頑張りたいって思ってるのに、そんなこと言われたらどうしていいかわかんなくなる」

 ナオミさんが遺した言葉とともに、今、菊地さんは前に進もうとしている。
(構成=安楽由紀子)

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