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外資系企業も日本型「新卒一括採用」導入…欧米、エリート以外は低賃金のブラック企業就職

文=A4studio
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外資系企業も日本型「新卒一括採用」導入…欧米、エリート以外は低賃金のブラック企業就職の画像1「Gettyimages」より

新卒一括採用」は世界的に珍しい、日本特有の雇用制度だ。

 これまでは、経団連が定める“就活ルール”にのっとり、多くの企業が選考や広報の開始時期について足並みを揃えてきた。ところが昨年9月3日、経団連が就活ルールを廃止する意向を示したことで、今後の動向に注目が集まっている。

 そもそも新卒一括採用は、学生に「新卒というカードを切れるのは人生で一度だけ」という重圧を与えたり、一定期間に選考や説明会が集中することで学業が疎かになる恐れがあったりと、その欠点が指摘されている。

 では、なぜ日本は新卒一括採用を継続しているのか。『お祈りメール来た、日本死ね 「日本型新卒一括採用」を考える』(文春新書)などの著書を持つ雇用ジャーナリストで、ニッチモ代表取締役の海老原嗣生氏に話を聞いた。

なぜ日本では新卒を大量に採用する?

 まず海老原氏は、「新卒一括採用」と同じく世界的に珍しい「無限定雇用」という契約制度こそが、日本の新卒一括採用を可能にしているのだと説明する。

「日本と欧米では雇用契約に違いがあり、欧米は『職務限定雇用』です。企業は人事権を持たず、職務を限定して採用するため、人事異動をさせることができません。それに対して日本は無限定雇用であり、企業が人事権を持ち、採用後はさまざまな部署へ異動させることができます。この違いこそが各国の雇用制度に大きく関係しています。

 欧米の企業で欠員が出た場合、会社の外部から同業同職の経験者を雇うことで欠員を補充します。ただ、経験者を雇おうとすると、競合他社から引き抜かねばなりません。これによって欠員が生じた競合他社もまた、外部から経験者を連れてこようとするため、常に自社の人材が他社に取られてしまう可能性がついてまわるのです。これが欧米型の雇用制度の大きな問題点となっています。

 次に、日本の企業で欠員が出た場合は、その下の役職に就いている者を昇進させたり、ほかの支社から同じ職務に就いている者を異動させたりできます。さらに、その昇進によって発生した下位ポストを補充するために昇進、異動……と繰り返していくと、最後に空席ができるのは、末端の役職です。その空席を埋めるために行われるのが新卒一括採用だということは、もうおわかりでしょう。上位の役職に欠員が生じても社内で補充すればよいので、新たに雇うのは末端の新人だけですみます」(海老原氏)

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