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東京五輪招致・贈収賄疑惑、JOC竹田会長の関与めぐり職員が証言…森喜朗氏リーク説も

文=中村俊明/スポーツジャーナリスト

「それまでの竹田さんは、これといって失敗らしい失敗をしてこなかった。旧皇族という家柄の良さもあり、誰も竹田さんには意見を言いにくい雰囲気もあったと思います。ただ、石原慎太郎元東京都知事が中心となった五輪招致の際に、招致委員会副会長としての器が問われる結果となった。悪いほうにおぼっちゃま気質というか、事なかれ主義が出たかたちです。ガツガツと他国の代表と渡り合える器量がなかったと判断され、石原氏の怒りが爆発して、かなり厳しく叱責を受けたんです。それ以降、しばらく竹田さんはふさぎ込みがちになり、性格も以前より暗くなってしまったほどです」(前出・JOC職員)

 今回の贈収賄疑惑に関しても、前回の招致失敗を繰り返さないために先手を打ったという見方もできる。「東京五輪開催は、竹田さんの地道なロビー活動が実を結んだ面もある。だから同情の余地もあると思うんです」という、JOC職員の声にも少し納得できる部分があるのかもしれない。

 ただ、石原氏の叱責により、森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長との関係も悪化していくことになる。16年招致の際のトップである石原氏と昵懇だった森氏が、竹田氏に“無能”の烙印を押すのは必然だったのかもしれない。全国紙運動部記者はこう話す。

「招致委員会の全理事が全員退任したのに、竹田さんがJOCの会長を続けていたのも、石原さんは気に食わなかったようです。竹田さんがIOC委員に就任するなど、出世したことも面白くなかった。もともとソリが合わなかった竹田さんと、石原・森ラインは前回の招致失敗から修復できないほどの溝ができてしまった。竹田さんは竹田さんで、前回の失敗の責任を自分に押し付けた石原さんと森さんに対して相当強い恨みがありますから」

 さらに、今回の贈収賄の不祥事も、アンチ竹田サイドから出てきたという声もあるという。

「そもそも、今回の一連の贈収賄事件をリークしたのは、森氏サイドという見方が強くあります。森氏が竹田氏を潰すために、仲のよい記者にスクープを“抜かせた”ということです。タイミング的にも、カルロス・ゴーン日産自動車前会長の逮捕と重なり、世間的にも『フランス政府からの報復では』という印象を想起させやすかった。森氏の思惑と異なったのは、世間には思ったほど竹田氏に対して厳しい反応がなかったことではないでしょうか」(前出・全国紙運動部記者)

 一連の不祥事で孤立無援状態の竹田氏は、20年の東京五輪をJOC会長として迎えることができるのか。いずれにしても、一刻も早い真相の解明が待たれる。
(文=中村俊明/スポーツジャーナリスト)

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